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イラストレーター・三宅瑠人の好きな器と、その付き合い方

個展に並んで手に入れた若手作家の器、旅先で一目惚れした骨董品、知人からもらった思い出深い一皿……器には、一つ一つに使い手のストーリーが詰め込まれています。カジュアルに楽しむ新世代の器好きイラストレーター・三宅瑠人が語る、とっておきの逸品と、その使い方。


 

photo: Jun Nakagawa / text: Ku Ishikaw

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紙のような質感と、テーブルクロスのような絵柄に心惹かれる

仕事を通じて日常的に紙に触れているからか、薄いテクスチャーに惹かれるんです。だから家にあるお皿も薄手のものが多い。

これは陶芸作家ユニット〈Satoko Sai + Tomoko Kurahara〉のもの。シルクスクリーンで陶器に絵を転写したり、鋳込(いこ)みや型押しを用いたりと、作品のコンセプトに合わせて様々な技法に挑戦されていて、アートピースと呼べる器を作られています。

一枚一枚、ストーリーも作風も異なるから、話を聞くと買わずにはいられなくて。特定の作家さんのものを集めることはないんですが、お2人の作品だけは別で、お皿は4〜5種、カップを数種類持っていますね。

これは毎年発表されていた「イヤーズプレート」シリーズ。ケーキを食べる時に使っていて、のせるとそのままテーブルクロスを切り取ったような情景でとても素敵なんですよ。縁のザラザラとした質感も気に入っていて、なにかと触ってしまいます。

〈Satoko Sai + Tomoko Kurahara〉のイヤーズプレート
〈Satoko Sai + Tomoko Kurahara〉のイヤーズプレート
崔聡子と蔵原智子により、2002年から活動する〈Satoko Sai + Tomoko Kurahara〉。ヨーロッパに根づくイヤーズプレートに共感してスタートしたシリーズで、年によってコンセプトが異なり、もちろん作風も様々。裏面には西暦の焼印。「具象と抽象を行き来する、彼女たちの自由な発想が面白い。シリーズ再開を願います(笑)」

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