入口は、風変わりな友達が教えてくれた
爆音のグレン・グールド
唐突ですが、漢方薬と音楽って似ていると思うんです。複数の生薬の組み合わせで作られるのが漢方薬ですが、混ぜる種類が多くなると、個々の効果は出にくくなるといわれていて。
音楽も同じで、歌や複数の楽器の組み合わせで作られるポップスやオーケストラよりも、混じり気ない独奏の方が、音自体はより心に刺さると思うんです。だから、ただ心の奥底から音に浸りたい時は独奏曲を聴きます。
クラシックを教えてくれたのは、大学時代の友人。家には任侠漫画とクラシックCDしかない風変わりなやつで(笑)。彼が爆音で聴けと教えてくれたのが、グールド演奏の1。音の美しさが衝撃的でした。
2はサムイル・フェインベルグというピアニストの演奏で。平均律はいろんな人が弾いていますが、彼の演奏が僕にはしっくりきます。3はアンドレス・セゴビアの演奏が良い。彼の音には独特の温かみがあって癖になるんですよね。車でしっとり聴くのも好きな一曲です。
1. 「ゴールドベルク変奏曲 BWV988」/バッハ
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2. 「平均律クラヴィーア曲集 全曲」/バッハ
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3. 「フーガト短調 BWV1000」/バッハ
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