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音楽プロデューサー、クリエイティブディレクター・もふくちゃんが選ぶ、アイドルファンにも聴いてもらいたい3曲

星の数ほどあるクラシック曲は、聴き方も楽しみ方も人それぞれ。気持ちを落ち着かせてくれる曲から幽体離脱を促す曲まで?クラシック通27人が極めて個人的なテーマで選んだ3曲を一挙に公開します。

Text: Aiko Iijima, Konomi Sasaki, Saki Miyahara / Edit&Text: Emi Fukushima

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アイドル文化からクラシックを読み解くと
新たな扉が開くかも⁉

クラシックをアイドル文化の観点から見ると、推し増しがあるかも⁉

1は、クラシック界のスター3人衆共作の珍しい曲。秋元康作詞、つんく♂作曲、ヒャダイン編曲みたいなものです(違う)。奏者は“カラヤンが見出した天才美人少女”アンネ=ゾフィー!これだけでアイドルっぽいんですが、セトリもアイドルライブっぽいんですよね〜。

2のアファナシエフの演奏は、作曲家の時代性や意図との“ズレ”がグルーヴ化して襲ってくるような感覚。私はアイドルのヘタウマな歌が好きなのですが、その良さって、技術によって隠されてしまう歌や人間の本質がムキダシになる瞬間にある。楽曲の構造をあらわにする演奏は、音楽の本質を改めて教えてくれます。

3のドヴォルザークはメロディメーカーとして現代的なセンスを持っていたと思います!一発で好きになるメロディ、指揮者もアイドル性高く、レコーディングも超一流。アイドルポップとしても勉強になる!

1. 「《F.A.E.ソナタ》から スケルツォ ハ短調」/ブラームス、ロベルト・シューマン、アルベルト・ディートリヒ

『ベルリン・リサイタル』
『ベルリン・リサイタル』演奏:アンネ=ゾフィー・ムター(バイオリン)、ランバート・オーキス(ピアノ)/1995年、ベルリンでの録音音源を収録。ドイツ・グラモフォン/¥1,300(CD)。

2. 「ピアノソナタ第20番ハ短調 Hob. XVI: 20 第1楽章」/ハイドン

『テスタメント/私の愛する音楽〜ハイドンからプロコフィエフへ〜』
『テスタメント/私の愛する音楽〜ハイドンからプロコフィエフへ〜』演奏:ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ)/現代ピアノ界の鬼才、アファナシエフの6枚組セット。ソニー・クラシカル/¥16,500(SACD)。

3. 「交響曲第9番ホ短調 作品95《新世界より》」/ドヴォルザーク

『ドヴォルザーク:交響曲第8番&第9番《新世界より》』
『ドヴォルザーク:交響曲第8番&第9番《新世界より》』指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン/演奏:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/ドイツ・グラモフォン/¥1,800(CD)。

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