自分の中にある「アガる曲フォルダ」から
厳選した興奮の塊
この3曲が流れた時の私の感情は、クラブでDJが大好きな曲をかけた瞬間、思わず腕を突き上げて叫んでしまう時と全く同じです。
1は、ジャンル分けするなら現代音楽になるのでしょう。ヴィトマンは非常に独特なポップセンスを持っていて、1993年の作曲当時に流行していたテクノのビートから思いついたのだそう。“最高速度で”掻き鳴らされる弦楽六重奏の身体性と、意外で不思議で現代的な和音がかっこいい!
2は、私が初めてクラシック音楽で“ブチアガる”体験をした曲。第1楽章の冒頭、流麗で壮大な楽想と重厚なピアノの和音から突如歯切れのいいカスタネットが踊るように入ってくるところで鳥肌が。
3は、実はとても現代的な魅力を持った作品。最終楽章ではバイオリン奏者が調弦の間違いに気づき、突然チューニングをし直すのです。音楽的な連綿から解き放たれる形で個別に存在するチューニングという行為の存在感は、新鮮で目が覚めるようです。