バロック音楽のユーモラスで軽やかな調べを
控えめの音量で
疲れている時にふさわしいのは、ベートーヴェンやブラームスのような強くて大きな物語性を持った音楽ではなく、瞬間瞬間の心地よさや良質なユーモア、軽やかな喜びが伝わってくるような楽曲。夜に、控えめの音量で流すなら、主役はバロック音楽でしょう。バッハのバイオリン曲といえば、無伴奏バイオリンのためのソナタとパルティータが代表的ですが、
1はチェンバロを伴ったソナタ。あまりに偉大な「無伴奏」に比べて、気軽に聴くことができます。
2は、ドゥ・ニースが舞台でアイドルばりの振り付けで歌ったことも記憶に新しい一曲。音だけでも十分その躍動感は伝わってきます。
3は、たまたまSpotifyで見つけたアルバムから。瑞々しく陰影豊かな曲想にあふれ、溌溂とした生命力がみなぎっています。テレマンはあまりにも作品数が膨大で、その全貌はつかみきれませんが、このソナタだけをとっても、並外れた音楽の巨人だったことが窺えます。
1. 「バイオリンとチェンバロのためのソナタ第4番ハ短調 BWV1017」/バッハ
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2. 「オペラ『ジュリアス・シーザー』から『難破した船が嵐から』」/ヘンデル
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3. 「バイオリンと通奏低音のためのソナタ ト長調 TWV41:G1」/テレマン
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