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将棋棋士・加藤一二三が選ぶ、対局に挑む前に聴きたいクラシック3曲

星の数ほどあるクラシック曲は、聴き方も楽しみ方も人それぞれ。気持ちを落ち着かせてくれる曲から幽体離脱を促す曲まで?クラシック通27人が極めて個人的なテーマで選んだ3曲を一挙に公開します。

Text: Aiko Iijima, Konomi Sasaki, Saki Miyahara / Edit&Text: Emi Fukushima

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62年超の棋士生活に寄り添った
クラシックの名曲の数々

素晴らしい演奏には、緊張感があります。将棋の対局も同じで、緊張の一瞬の繰り返し。対局の合間にクラシックを聴くことで、気持ちを鼓舞しています。1は、天才作曲家メンデルスゾーンが約12年の構想を経て完成させた名曲。私も20年以上かけて、名人のタイトルを獲得しましたので、大変親近感を持っています。

長い将棋棋士生活の中で、スランプに陥ったことがあります。そんな中での対局の前、2を聴きました。イツァーク・パールマンの演奏に遊び心を感じました。それがスランプ脱出のきっかけになったのですね。この瑞々しい若さあふれる曲にはパールマンの演奏がとても合っていると思います。

昭和57(1982)年の4月から名人戦を戦い始めました。その時ちょうどテレビで、イタリアのミラノ・スカラ座管弦楽団を観まして、クラウディオ・アバドの指揮でを3演奏していました。それを聴いていたら「無心で戦えば勝てる」という自信が湧いてきました。

1. 「交響曲第3番『スコットランド』」/メンデルスゾーン

『メンデルスゾーン:交響曲第3番《スコットランド》&第4番《イタリア》』
『メンデルスゾーン:交響曲第3番《スコットランド》&第4番《イタリア》』指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン、演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/ドイツ・グラモフォン/¥1,700(CD)。

2. 「バイオリン協奏曲第3番」/モーツァルト

『モーツァルト:バイオリン協奏曲第3番&第5番《トルコ風》』
『モーツァルト:バイオリン協奏曲第3番&第5番《トルコ風》』演奏:イツァーク・パールマン(バイオリン)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団/ドイツ・グラモフォン/¥1,500(CD)。

3. 「レクイエム」/ヴェルディ

『ヴェルディ:レクイエム』
『ヴェルディ:レクイエム』指揮:クラウディオ・アバド/歌:カーティア・リッチャレッリ(ソプラノ)、シャーリー・ヴァーレット(メゾ・ソプラノ)ほか/ドイツ・グラモフォン/¥2,600(CD)。

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