62年超の棋士生活に寄り添った
クラシックの名曲の数々
素晴らしい演奏には、緊張感があります。将棋の対局も同じで、緊張の一瞬の繰り返し。対局の合間にクラシックを聴くことで、気持ちを鼓舞しています。1は、天才作曲家メンデルスゾーンが約12年の構想を経て完成させた名曲。私も20年以上かけて、名人のタイトルを獲得しましたので、大変親近感を持っています。
長い将棋棋士生活の中で、スランプに陥ったことがあります。そんな中での対局の前、2を聴きました。イツァーク・パールマンの演奏に遊び心を感じました。それがスランプ脱出のきっかけになったのですね。この瑞々しい若さあふれる曲にはパールマンの演奏がとても合っていると思います。
昭和57(1982)年の4月から名人戦を戦い始めました。その時ちょうどテレビで、イタリアのミラノ・スカラ座管弦楽団を観まして、クラウディオ・アバドの指揮でを3演奏していました。それを聴いていたら「無心で戦えば勝てる」という自信が湧いてきました。
1. 「交響曲第3番『スコットランド』」/メンデルスゾーン
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2. 「バイオリン協奏曲第3番」/モーツァルト
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3. 「レクイエム」/ヴェルディ
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