石若駿が語る、二階堂貴文
現在では世界中で活躍するラテンパーカッション奏者、二階堂貴文くんと出会ったのは、20年ほど前、札幌ジュニアジャズスクールへ入団した時のこと。人懐っこい性格の彼とは、すぐに仲良くなりました。当時、スクールの不定期演奏会へ出演されていたのが、カルロス菅野さん率いる熱帯ジャズ楽団。2人とも独特のリズムに魅了され、楽器ブランド〈Latin Percussion®〉のHPで本場の演奏を繰り返し見ていたこともありました。ラテンの魔性の魅力に取りかれたのか、二階堂くんはラテンパーカッションを専攻に。
二階堂くんは大学からバークリー音楽大学へ進学。2年前からNYへ拠点を移したため、会う機会はありませんでした。しかし、ここ数年、気に入った音楽家の演奏をYouTubeで観ているとバックでコンガやボンゴを演奏する二階堂くんの姿が。ナチョ・ゴンザレスの『ILLEGAL GROOVES』では、テレンス・ブランチャードやジョン・パティッチなど錚々たる面子と共に参加。2021年にはブロードウェイミュージカル『The Visitor』の出演者に大抜擢。ニュースを聞いた時、我がことのように嬉しかったな。
今年3月、僕が大先輩である金澤英明さん(Bass)と石井彰さん(Piano)と結成したBOYSの活動15周年を記念し、二階堂貴文くんを招いてレコーディングをすることができました。
BOYSのメンバーとも旧知の二階堂くん。スタジオは本当にハッピーで、演奏も素晴らしかった。キューバのボレロのリズムを叩いていると「駿、ちょっとアクセントの位置を変えた方がいい」というように、本場仕込みの指導を受けることもできました。性格も従来の人懐っこさに加え、世界中で活動しているせいか、非常にオープンで、人として大きくなっていましたね。今後の活躍も期待しています。