海外の新しいミュージアムガイド。〈オスロ国立美術館〉〈現代電子音楽ミュージアム〉etc.

世界各地で、その国や都市を代表するような大型ミュージアムの新設やリニューアルが続々。小さくて興味深い、あるジャンルや作家の特化型施設のオープンも目立つ。2021年以降にできた、旅の目的地になる最新のミュージアムをご案内。Vol.2はこちら

text: Yumiko Urae

インダストリアルデザインの歴史

モノのミュージアム(ドイツ/ベルリン)

イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動に影響を受けて、20世紀初頭に建築家やデザイナー、実業家により設立されたドイツ工作連盟のアーカイブを展示。

収蔵された20〜21世紀の工業製品は約4万点あり、モダニズムのアイコンと称される機能的な台所「フランクフルト・キッチン」やブラウン社のレコードプレーヤーも。色、フォルム、素材、トレンドなどで分けられた展示から、ドイツの日常生活の100年を垣間見ることができる。

ドイツ〈モノのミュージアム〉内観
©JF/Werkbundarchiv - Museum der Dinge

世界初、電子音楽の文化を発信

現代電子音楽ミュージアム(ドイツ/フランクフルト)

テクノクラブ・オーナーの発案で誕生した電子音楽専門のミュージアム。1980年代から電子音楽がアートやデザイン、ファッション、テクノロジーに与えた影響を探求し、紹介する。

外観や内装には12インチレコードやラウドスピーカーなどのデザインが取り入れられているという。1,000m2の展示室はアンビエントからハウス、テクノまで広いジャンルをカバー。DJによるワークショップ、ライブやパフォーマンスなど常に動きがある。

ドイツ〈現代電子音楽ミュージアム〉内観
photo: Christian Arndt

コレクションを見せるための収蔵庫

ボイマンス・ファン・ベーニンゲン倉庫(オランダ/ロッテルダム)

170年以上の歴史ある美術館の約15万5,000点のコレクションすべてを収蔵したまま見せる世界初の展示法が話題。中世の絵画から写真、映像、インスタレーションのような現代美術までの世界的な収蔵作品を6フロア5つのゾーンで保管・展示する。

美術史の観点やテーマからキュレーションされた従来の美術館展示とは異なり、収納スペースの維持管理や修復作業など、美術館の裏の仕事の現場を目の前で体験できることも新しい。

オランダ〈ボイマンス・ファン・ベーニンゲン倉庫〉内観
photo: Ossip

北欧最大規模のミュージアム

オスロ国立美術館(ノルウェー/オスロ)

それまで分散していた4つのミュージアムのアート、デザイン、建築、工芸品の約40万点の収蔵品を一つに集約。2フロア、86の展示室で6,500点以上の作品を公開する。

コレクションは定期的に入れ替えて展示され、モネ、ゴーギャン、ロダン、ピカソなど世界的に有名な作品群から成る。特にノルウェーの作家ムンクを展示する常設「ムンク・ルーム」は必見。世界に5点存在する《叫び》の1点を含む、18点の重要な作品を見学できる。

ノルウェー〈オスロ国立美術館〉内観
photo: Iwan Baan

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