『異人たちとの夏』
嫌でも離れる時期はやってくるんだから…。
いずれ一方が先に死を迎え、もう一方が後に取り残されるなら、親と子がどちらも生きている間くらい“親離れ”も“子離れ”もしなくていいんじゃないかというのが持論です。
死んでしまったら、もう甘えることもできないんだし。両親と死別した主人公が、いまの自分とほぼ同年齢の姿で現れた両親の幽霊と時を過ごす『異人たちとの夏』は、死んでも会いたいという家族の心情を切々と綴ります。
やがて“離れる”瞬間は嫌でも訪れて…。(門間)
『50/50』
ガンになっても、お母さんの助けは借りません。
酒も煙草も嗜まない27歳の青年がある日、5年生存率50%のガンと宣告されてしまう。それを聞いて慌てふためくのがアンジェリカ・ヒューストン扮する母親。
恋人と一緒に暮らす息子の家へ引っ越すと言い張り、なにかと心配して長々と電話をかけてくる。そんな母を愛しながらも、「支援はいらない」ときっぱり断る主人公。
日本人から見るとそっけないけれど、これがアメリカの親子の距離感。そして変わる母の接し方にも注目を!(金原)
『96時間』
ストーカー親父を見て我が身を反省しよう。
リーアム・ニーソンが演じるのは、旅先で事件に巻き込まれた娘に助けを求められた父親。たった一人でパリへと乗り込み、愛する娘のためならばと法律は完全スルー、人もバンバン殺す。
異常に頼りがいのある父親だが、妻とは別れているのに娘のことが好きすぎて近所に引っ越して監視するだなんて、よく考えたらほぼストーカー。無茶ばかりの究極の親バカ映画にツッコミを入れつつ、自分が子離れできているかどうか確認してみて。(細谷)