こんなに自分を重ねた主人公に出会うのは初めて
ゴーストワールド
映画でも漫画でもなんでも、今まで物語の登場人物に共感したことがなかったんです。どちらかというと、気持ちがわからなくてモヤモヤすることの方が多い。でも、昨年リバイバル上映で観た『ゴーストワールド』は、主人公イーニドの性格にあまりにも共感しすぎて、びっくりしました。
クラスメイトを斜に構えて見てしまったり、「自分はみんなと違う」と証明するためにカルチャーを掘っていったり。そうした生き方が思春期特有のものというより、現在進行形で続いている私自身の問題にも重なったんです。旧友が結婚・出産して、今まで通りには遊べないんだと悟った時の寂しさも、映画を観ながら思い出しました。
私もイーニドみたいに生きられたら、もうちょっと楽かもしれないと思えるシーンも多かった。バイト先では違和感を覚えた上司に反発するし、何事にも興味を持ったらすぐ行動。その真っすぐさに憧れます。
自分のパーソナルカラーなんか絶対気にしないであろう、イーニドの自由なファッションも大好き。報われるわけではない映画のラストには食らったけど、私もやっていくしかないよなと受け止めました。