1位 『ニュー・シネマ・パラダイス』
「私は、映画がぎりぎりフィルムで上映されていた2000年代前半から映画館で働いており、映写機が動くあの音や映写室という空間がとても好きなので、物語の一つの転機として描かれるあのシーンは何度観ても涙を流さずにいられません」。河野宏美(39歳)女性/Filmarks
「“自分の仕事を愛せ”。このアルフレードの言葉が僕を支えてくれている」。蔵本健太郎(47歳)男性/広島〈八丁座〉
「映画を愛する人ならこんなの感動せざるを得んでしょう」。THE君「ざっくん」(34歳)男性/Filmarks
「焼け焦げたフィルムを少年のような目で見るラストシーンが沁みる。初めてキスシーンで泣いた」。でっかいえび、男性/Filmarks
2位 『PERFECT DAYS』
「大きくはないけど、どんな人にもあるちょっとした日常の出来事を、私も拾い集めてパーフェクトな日々にしたい。観終わった後にじんわり心に沁み渡りました」。モナミ(28歳)女性/BRUTUS.jp
「温厚で職人気質である主人公が昔カメラマンをやっていた祖父に重なり、祖父にもっと会ってたくさん話をしたいなってしみじみと感じた」。キシ(22歳)男性/愛知〈伏見ミリオン座〉
「慌ただしく忙殺されながら毎日を送っている自分にとって、ほっと息をつける作品でした」。かいちゃん(34歳)男性/Filmarks
3位 『aftersun/アフターサン』
「カラムとソフィが一緒に過ごす最後の夜に撮ったポラロイド写真に、だんだん2人の姿が浮かび上がってくるショットがたまらなく沁みた。きっとそんなふうに、すぐには見えないけれど、だんだんと、じわじわと鮮明に見えてくるものが、人生にはある」。moe(33歳)女性/Filmarks
「母と離婚し離れて暮らす父と、2人だけの夏休みを過ごす境遇が私自身の経験とぴたりと重なった。若くして父親になった彼の年齢を私はもうとっくに超えている。ソフィに感情移入していたはずが、どんどん父カラムの痛々しさにも気づいていく。本作を通して、あの夏休みに彼は父であろうとしてくれていたのではないかと思い浮かぶようになり沁みた」。ユーリ(29歳)女性/高知〈キネマミュージアム〉
4位 『Coda コーダ あいのうた』
「聾唖者(ろうあしゃ)の世界に引き込む、静寂の緊張感を破るアプローズの場面や、ルビーのオーディションの最中に現れた家族のために手話を交えて歌う姿が心に沁みました」。西山進(59歳)男性/岡山〈シネマ・クレール〉
「最後の『Both Sides Now』がストーリーと相まって、込み上げてくるものがある。“歌”の力を感じられる作品」。GACCHAN(28歳)男性/BRUTUS.jp
「耳の聞こえない家族の嬉しそうな表情と、彼らに歌を聴かせることができたルビー。一連の演出が沁みた」。あずき(20歳)女性/BRUTUS.jp
5位 『夜明けのすべて』
「個人的に藤沢さんのPMSの症状が自分と重なり辛く、また症状の後の落ち込みにも心が痛んだ。登場人物おのおのがそれぞれに生きづらさを抱えているが、お互いの距離感の程よさ、さりげないケアが沁みた。羨ましく思うと同時に、気持ち次第でそんな環境も作れるかもしれない、と思えたから」。みねこ、女性/BRUTUS.jp
6位 『ショーシャンクの空に』
「“必死に生きるか必死に死ぬか”。このアンディの言葉がじわじわと沁みてくる。生きづらさを感じた時に観たくなる作品」。Charmy(61歳)女性/Filmarks
「“心の中には誰も奪えないものがある”というセリフを思い返しては自分を勇気づける」。かわしまゆきこ(33歳)女性/BRUTUS.jp
7位 『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』
「沁みる映画というのは、観終わった後に襲ってくる何とも言えない感覚がある、心の栄養剤になるような映画かなと思っていて、何かを考え立ち止まる時にまた観たくなる一作です」。716カズ(26歳)男性/Filmarks
「支えてくれる人の尊さにジーンときた」。はるそらゆき22(49歳)男性/Filmarks
8位 『インターステラー』
「愛をテーマにしたSF。圧倒的なスケールで愛を描いていると気づいた時、感動で言葉が出なかった」。名古屋の映画好きおばさん(60歳)女性/Filmarks
「宇宙に出て加速する時間という対価を支払い、自分の人生を犠牲にしてまで誰かのために行動する。その気持ちが沁みる」。菊地康太(40歳)男性/Filmarks
8位 『君の名前で僕を呼んで』
「タイトルから沁みる。私だって君の名前で呼ばれたいよ。パチパチと鳴る暖炉の前で、静かに肩を落とすエリオの表情は一生忘れられない」。勘三郎(26歳)女性/Filmarks
「愛し合う場面が美しくてまるで動く絵画を観ているような気持ちになりました」。ねねか(23歳)女性/Filmarks
10位 『チョコレートドーナツ』
「決してハッピーエンドではないが、だからこそ、社会の無理解が切なく、いつまでも記憶に残っている」。菊池淳子(52歳)女性/山形〈鶴岡まちなかキネマ〉
「書類上の家族の繋がりと、血縁関係のない家族の、切ない繋がり。愛の深さは計り知れない」。ハレルヤ(64歳)女性/Filmarks
10位 『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
「“君の過去が人生の方向を決めたりしない”。教師らしい、品位ある寄り添った言葉に沁みました」。ヒロシ(48歳)男性/高知〈キネマミュージアム〉
「ポールがアンガスに“頑張れよ”と語りかけた時涙がポロッと出て心に沁みました。私の中で冬に観たい映画ナンバーワン」。アン(28歳)女性
10位 『ライフ・イズ・ビューティフル』
「悲惨に描くのが普通なのに、コメディタッチであそこまで描けるものなのか。監督・主演ロベルト・ベニーニの一世一代の傑作」。ろぼっと軽ジK(55歳)男性/Filmarks
「父の最後のシーンは、思い出すだけで涙が止まらなくなる。父親愛の最高傑作」。ペペロン・チーノ(55歳)男性/Filmarks
20代以下と60代以上のランキングを比較
●20代以下のベスト3
1位『aftersun/アフターサン』'22/米
2位『PERFECT DAYS』'23/日=独
3位『Coda コーダ あいのうた』'21/米=仏=カナダ
●60代以上のベスト3
1位『ニュー・シネマ・パラダイス』'89/伊=仏
2位『ショーシャンクの空に』'94/米
3位『砂の器』'74/日
60代以上の3位は松本清張原作の『砂の器』。殺人事件の裏には社会の暗い闇があったという、ズシンとくるドラマが他の名作を抑えてランクイン。そして20代以下の得票数が、全体の2位から4位を固めたと言える結果となった。
Filmarksユーザーが答えた、沁みる映画の沁みる一言
映画好きが利用するレビューサービス、「Filmarks(フィルマークス)」のユーザーにもアンケートを実施。日頃から作品レビューに親しむ映画好きたちのコメントは、より具体的にこのセリフが、という形で沁みる映画を教えてくれた。