朝日もまばゆい場所で
美しい酸味の映えた一杯を。
LUCENT COFFEE(東京/蔵前)
東から注ぐ朝日の気持ち良さに惹かれて、この物件に決めたと話す中田真・翔子さん夫妻。2019年7月に開業した店内では、晴れた朝には光が弧を描くのが見える。穏やかな朝の時間に寄り添うのは浅煎りのシングルオリジン。熱風とハロゲンランプで火入れできるストロングホールド社製の焙煎機を使って、美しい酸味を引き出している。エチオピアのウォッシュトには、目覚めた体に染みる瑞々しい果実感も。ゲストハウスや職人のアトリエが多く、浅煎りも好まれる界隈で、朝からハンドドリップの一杯が飲めると重宝されている。
飲み屋が連なる横丁の
タコス店で朝から間借り営業。
andoh coffee(東京/吉祥寺)
吉祥寺出身の安藤久雄さんは、コーヒースタンド〈SIDEWALK STAND INOKASHIRA〉で経験を積み、昨年9月に、ハモニカ横丁に佇む〈TACOS Shop〉の2坪の狭小空間で間借り営業をスタート。オープン当初は午前中のみの営業だったが、好評につき今年から平日のみ夕方まで延長が決定。それでも朝から店を開けるのは、出勤前や散歩中にコーヒーを求める常連客が着実に増えているから。それに伴い、モーニングコーヒーも始めた。豆は苦味が少なく、香り豊かなエチオピアやグアテマラなど日替わりで、浅煎りコーヒーを淹れて出迎える。
オリジナルブレンドを基軸
にしたモーニングセット。
小川売店(神奈川/茅ヶ崎)
コーヒーと軽食”がコンセプトの〈小川売店〉の朝の店内では、地元客が昔ながらの喫茶店のようにモーニングを楽しむ。〈カフェ キツネ〉のバリスタだった店主、小川卓哉さんの淹れるブレンドコーヒーと妻の小雪さんが作る軽食はオープン2年目ながら茅ヶ崎の朝の名物になりつつある。ブレンドは〈27コーヒーロースターズ〉に依頼し、程よい酸味とスッキリさを求め、朝に合うよう作る。しかも店で出す軽食は、ブレンドに合うものだけを用意している。こだわりのブレンドと、ブレンドありきの軽食をセットで頼み、懐かしくも新しい朝に浸ってほしい。
朝営業の「朝ディモンシュ」で
名店の一杯をカジュアルに。
café vivement dimanche(神奈川/鎌倉)
1994年に開業し、カフェブームの火つけ役ともいわれる同店。「朝ディモンシュ」はワッフルとアメリカーノのセットが¥600(税込み)で、手頃さからリピーターも多い。店主・堀内隆志さんが淹れるハンドドリップが人気の昼営業とは違って、朝はエスプレッソドリンクとマシンで落とすコーヒー中心のスタンド形式。価格は手頃でも、抽出に長けたスタッフが0・1℃単位で湯温を調整、日替わりで2種のエスプレッソを淹れ分ける。実は東日本大震災の計画停電を機に始まった朝営業。今や鎌倉・小町通りの光景として、すっかり定着している。