加藤嵐
闘争心を弱めないための朝食法
サーファーの朝はとても早いので、起きてすぐにしっかりと食べる人は少ないと思います。僕は満腹中枢が満たされると、ハングリー精神が弱くなるので、海に入るための体力はプロテインで補います。
サーフィンを終えてようやく朝食的なものをとるのですが、お気に入りは千葉・一宮にある〈トパタコス〉のブリトー。サーフスポットの近くにあり、サンドイッチ感覚で手軽に買えるのに、野菜や鶏肉がしっかり入っている。必要な栄養を効率よくとることができます。
タサン志麻
ちょっといいバターと
パンでシンプルに
夜しっかり食べるので、朝は簡単なんですよ。土日にゆっくりできる時は、フレンチトーストやクロックムッシュを作ったりもしますが、平日、旦那さんと子供たちはシリアルと牛乳やカフェオレ、私はパンにバターとコーヒー。
大好物のバターがひたひたのパンだけで十分幸せなんです。バターは調理用とトースト用で分けていて、パンには少し高級なフランス産を。コクが全然違うんですよね。留学していた時にいつも食べていた味が忘れられなくて。お料理は好きですが、朝から忙しくして疲れたくないじゃないですか。お母さんたちにも、毎食頑張らなきゃという肩の力を抜いて、食べることを楽しんでもらえたらと思います。
原田維秀
栄養酵素満点
八百屋の朝ごはん
家業の八百屋を継ぎ、毎朝5時に起きて競りに行き、帰ったら開店準備に接客に畑仕事……。東京生活から香川の実家に戻って半年以上経ちましたが、すっかり健康になりました!
それはきっと毎朝、競りに行く前に丸かじりしているリンゴのおかげじゃないかな〜。ふじに紅玉、王林、こみつ。色々な種類を丸かじりしてきたおかげで、リンゴの味にうるさくなりました(笑)。
競りから帰ってきて10時頃に、妻が作る2度目の朝食を食べます。お店で出しているお惣菜の残り物や、鮮度が落ちてきた野菜などを使ってサラダや味噌汁を作ってくれます。新しくお店に並べる野菜を試したりもしますね。自信を持ってお客さんに売るには、やっぱり自分で食べてみないと。朝から晩まで働きづめですが、おいしい野菜を食べているおかげで、体の調子は抜群です!
ゴーチェ・ボルサレロ
パリで最も美しいカフェで
友人が淹れる一杯のエスプレッソから一日が始まる
ここは〈クラヴァン〉というエクトール・ギマールが1910年代に建築したパリで一番美しいカフェ。内装も当時のままで、歴史的にも価値のある建造物なんだ。現オーナーのフランクは僕の友人で、彼は有名レストラン〈ル・シャトーブリアン〉と、〈ル・ドーファン〉の経営者でもあった。
いつも僕は朝8時半に子供をベビーシッターに預け、アトリエの近所にあるここを訪れる。カウンターに座って頼む朝食は、決まってエスプレッソだけ。アメリカンに比べてカフェインがゆっくり吸収されるから心拍数も上がりにくいといわれている。
フレッシュジュースやスムージーを飲む人もいるけど、僕は胃が痛くなるから苦手で……。友人のフランクとたわいもない話をしながら飲むひとときが、頭と体を家庭から仕事へと切り替えてくれるんだ。パリもようやく飲食店の営業が再開し始め、久しぶりにフランクのエスプレッソを飲んだけど、やっぱり身が引き締まるよ。フランスでランチのことをdéjeuner(デジュネ)というんだけど、これは“断食をやめる”というのが語源。
フランスには、朝はしっかり食べない方が健康に良いという考え方があるんだ。クロワッサンを食べるイメージがあるだろうけど、意外にそういう人は少ないんだ。でも、たまにフランクの作る目玉焼きを食べる時があってね。これが時にはしっかり食べたくなるほどおいしいんだよ(笑)。