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あの人の、いつもの朝ごはんVol.13 越智康貴、長谷圭祐、瀧川鯉斗

朝ごはんは家族と一緒に。好きなものを好きなだけ食べる。お気に入りの店で至福のひとときを過ごす。和食に洋食、朝パフェ、朝ラー、朝カレー。過ごし方も違えば、食べるものも違う。だけどみんな等しく、朝食が大好きなんです。

Text: Emi Fukushima, Chisa Nishinoiri

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越智康貴

1日置きの自宅朝食は
安定が肝心

毎週月曜、水曜、金曜は大田市場に花の買い付けに行きます。朝4時に起きて5時半に到着。まずは売店〈あや花〉で朝食を購入します。キオスクみたいな小さな商店ですが、場内唯一なのでお客さんが殺到して、日によってはハードな照り焼きチキン&卵サンドとか、渋めのゆかりおにぎりしか残っていないことも(苦笑)。

だから市場に行かない朝は安定を求めて、6枚切りの食パン1枚にジャムやバターをつけてゆっくり食べるのを定番にしています。食パンは焦げるギリギリくらいまでしっかり火を入れるのが好きなので、焼き具合が見えやすいフライパンで。

トースターと違って全体像が見えて、「パン、焼かれちゃってんな」感のある見た目も可愛いんです。こんな生活を5年ほど続けても食パンに飽きないのは、交互に訪れる、選ぶ余地ゼロの朝食のおかげかも?(笑)

長谷圭祐

安心感と満腹感
インドネシアの現地メシ

多い時で年に10回ほど海外へ植物を探しに行きます。僕は熱帯雨林の植物がメインなので、訪れるのは主に東南アジア。特にインドネシアが多いですね。1〜2週間ほど滞在するのですが、現地での強い味方がこの即席袋麺「ミールブス」。カレー風味の塩ラーメンで、これだけは、どれだけ辺鄙な山奥でも必ずあるんです。

10年前に出会って以来、僕の定番現地メシ。実はお腹が弱くて、東南アジア特有の辛い食べ物やココナッツ系の風味が苦手……。食べるとお腹が痛くなり、山歩きどころじゃなくなります(笑)。特別おいしいわけではないですが、安心感と満腹感の一品。これを食べると、インドネシアに来たなあ、と感じます。

インドネシアのソウルフード
インドネシアのソウルフード。
1食¥50〜¥200、格安なのも魅力。たまのトッピングもシンプルに野菜とかき玉。残ったスープに白飯を入れるシメも定番。

瀧川鯉斗

10代の体に染みついた
前座時代の朝の味

テレビの情報番組を観ながらの朝食が日課です。高座のために時事ネタのチェックは欠かせないので、テレビをつけて朝食作りに取りかかります。和食も洋食も作りますが、10代で上京した頃レストランでアルバイトをしていたせいか、和食を作ってもついクセで洋のテイストを織り交ぜてしまう。

玄米ごはん、味噌汁、納豆、漬物に焼き魚、といきたいところをついムニエルに。ハーブなんか添えちゃって。洋食ならホットサンド。肉屋の自家製ベーコンにチェダーチーズ、クラッシュしたゆで卵、ルッコラやサラダ菜など野菜もたっぷり挟んでホットサンドメーカーでプレス。これは前座時代、朝寄席に行く前に料理長がよく作ってくれたレシピなんです。

師匠の家に住み込みという話はよく聞きますが、僕の場合はレストランに住み込み。作り方を教わるでもなく、見よう見真似で覚えた作り方なのに、あの頃の味になるから不思議です。僕は落語も古典を忠実に再現したいタイプ。料理も落語も、どこか似ている気がします。

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