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あの人の、いつもの朝ごはんVol.12 浜名一憲、矢口憲一、ゴリラ・シャバーニ

朝ごはんは家族と一緒に。好きなものを好きなだけ食べる。お気に入りの店で至福のひとときを過ごす。和食に洋食、朝パフェ、朝ラー、朝カレー。過ごし方も違えば、食べるものも違う。だけどみんな等しく、朝食が大好きなんです。39組の、いつもの朝ごはんを紹介します。

Photo: Satoshi Nagare(30) / Text: Ai Sakamoto(30, 32), Asuka Ochi(31)

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浜名一憲

自然ときちんとつながりながら
手作りしたものを朝から食べる

田植えの季節は、朝5時頃に起きて、前の晩から水に浸しておいた玄米を炊き、朝ごはんを食べます。水が温む7時くらいになると、家の前にある田んぼに出かけて、しつこく生えてくる草と格闘。無農薬で米の栽培を始めたのは2年前から。それまで住んでいた海辺の家が手狭になったので、少し内陸のここを見つけて2拠点にしました。作陶は海辺の家の(工房代わりの)キッチン、食住はここという具合です。

浜名一憲さんの朝食

朝ごはんのおかずは、もっぱら前の日の残り物。刺し身やその骨を使った骨せんべい、イワシの天日干しなんかが多いですね。それもなければ、梅干しと漬物だけということも。主食の玄米が味に多様性があるから、それだけで満足感が高いんです。すごい粗食でしょ。

最近は、木なりの完熟梅を使った梅干し作りに力を入れていて、一昨年は200㎏も仕込みました(笑)。基本的には、自分で手作りしたものを食べたいので、塩辛やらっきょう、漬物なども自家製。それらの材料もできる限り、自分で栽培したり、とったりしています。

「なんで、そんな面倒くさいことしてるの?」とよく聞かれますが、僕にとっては陶芸も米も梅干しも“作る”という行為の本質はみな同じ。表現の一環なんです。食という人間の基盤の部分がしっかりして初めてクリエイティビティは発揮できると思っています。

自家製の食材を使った“粗食”
自家製の食材を使った“粗食”。
アジの刺し身に、畑で採れた大根の煮物、自家製の塩辛・梅干し・キュウリのぬか漬け、そして千葉産の海苔。自家製のコシヒカリの玄米がこれらをまとめる。一緒に食卓を囲むのはパートナーである金継師の黒田雪子さん。

矢口憲一

撮影に不可欠な
気分が上がるケータリング

いつも夕食が深夜近くになってしまうことが多く、朝食は食べないのが普通です。でも、スタイリストの長谷川昭雄さんとの撮影の時には、料理家のTOMOさんによるケータリングの朝ごはんが楽しみの一つ。

何かと慌ただしい撮影の合間、お腹が空いた時に手軽にパパッと食べられるスパムにぎりやフルーツサンドは、シンプルだけど見た目も美しくて、もちろん旨い。フルーツの断面も含めて、いつも行儀よく並べられているのにうっとりします。

自分を含め、下町出身者が多い長谷川組の好みを聞いて濃いめの味つけにしてくれたり、連日撮影が続く時にマンネリ化しないよう変わり種で驚かせてくれたりいろいろな気遣いも嬉しい。旨いものを食べると元気が出るし、現場もほころんで良い仕事ができます。

TOMOさんのケータリング
TOMOさんのケータリング。
イチゴのほか、季節のフルーツサンドが。パンチの効いた味つけのスパムは長谷川組好み。時には、ナシゴレン唐揚げのせおにぎりなどの変わり種も。Instagram:@tomo_tomo_0328

シャバーニ

1日約90㎏の野菜を
群れの5頭で食べてるぜ

このナイスバディのおかげで、さぞや豪華な朝ごはんを食べていると思われるかもしれないが、俺は生粋のベジタリアン。糖分の多い果物も、健康のことを考えて飼育員さんが時々ごほうびにくれるぐらいさ。

野菜は大抵なんでも食べるけど、好きなのは旬を感じる食材。この時季ならキュウリやナス、トマトが甘味も強くてたまらないね。新鮮な青草もいい。犬猫などの多くの動物に与えてはいけないとされるネギやタマネギも食べられる。前に、俺がネギをくわえた姿が葉巻を吸っているように見えると話題になったこともあったな。

基本的に俺たちの食事は1日5回。朝一番のごはんは開園前に食べちまうけど、午前中にあと2回朝ごはんタイムがあるから、そこで葉巻姿が見られるかもしれないぜ。

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