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愛する

80年代のような空気感漂う古道具店。京都〈ものや〉

かつて誰かが愛用したものは、きっと今、誰かが欲しているもの。バラして磨き、組み直した自転車、2000年前後のファッション、民家や公共空間からの掘り出し物にデザインもの、西洋の木彫まで。ヴィンテージだからこそのクセ強なセレクトショップ、集めました。

初出:BRUTUS No.982「信頼できる店の探しかた」(2023年4月1日発売)

photo: Yoshiko Watanabe / text: Mako Yamato

大学でデザインを専攻していた仲間で、学生時代に立ち上げた〈ものや〉。卒業後は古道具店兼デザイン事務所として、古道具を売りながらプロダクトデザインも手がけるという個性派だ。

「惹かれるのは近代モダニズム的であったり、土着的な要素を持っていたりするもの。機能的すぎず、遊びが感じられるもの」と櫻井仁紀さん。現在は高垣崚さんと2人体制で店と事務所を営む。骨董市やリサイクルショップでの買い付けは、いつも2人で行うという。意見が一致したものだけを手に入れるというのがルールだ。

店に並ぶのは時計や照明、椅子、オブジェなど、カラフルさやフォルムのユニークさが際立つものが中心。どこか懐かしさを感じるものも多く、古いもの=経年の変化を楽しむものという既成概念を潔く取り払ったセレクトは軽やか。次世代を感じさせてくれる。

京都 ものや 店内
店に漂うのは80年代のような空気感。