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特別な朝につくりたい。〈ミモザ〉南俊郎が提案する、 金華ハムのはちみつ漬けサンド

朝食の定番、サンドイッチをシェフたちの技と発想でワンランク上の味に。料理に合うサイドディッシュも併せてご紹介します。

初出:BRUTUS No.920最高の朝食を。』(2020年7月15日発売

photo: Koh Akazawa / text: Kei Sasaki

繊細な食感にひと手間、甘味×塩気のおいしさ

金華ハムは、浙江省の金華地区で作られる豚のもも肉の塩漬けのことで、イタリアのパルマ産プロシュットやスペインのハモン・セラーノと並び称される中国を代表する食肉加工品です。
イタリアやスペインのように生で食べることはなく、だしを取ったり、炒め物などに加えたり、調味料的に使うことが多い。

発酵食品ならではの熟れた旨味が、料理をおいしくしてくれます。薄切りにし、はちみつをかけて蒸した金華ハムのはちみつ蒸しは、塩気と甘味が合わさった“甘じょっぱい”味がたまらない。上海や台湾などで花捲(甘い蒸しパン)と一緒に楽しまれていますが、朝食に手軽に作れるよう食パンでアレンジしました。

金華ハムさえ手に入れられれば誰でも簡単に作れます。ひと手間だけれど、頑張ってほしいのは、揚げた湯葉を添えること。香ばしくトーストした食パンと、繊細な食感の揚げ湯葉がミルフィーユ状の層になり、はちみつをまとった金華ハムを受け止めます。

金華ハムの味が染み出たはちみつもごちそう。パンでぬぐって一滴残さず食べてください。濃いめに出したプーアール茶で作る中国茶版ミルクティーを合わせれば完璧。上海のモダンダイニングでのモーニング気分を味わえます。

金華ハムの
はちみつ漬けサンド

【材料】
角食パン(8枚切り) 3枚、金華ハム(1.5mmスライス) 6枚、はちみつ 大さじ5~6、湯葉(乾燥)6枚

【作り方】
1:金華ハムをパンの大きさに合わせて切る。厚さは1.5cmに。皿に並べてはちみつをかけ、ラップをして蒸し器で15分蒸す。
2:角食パンの耳を落とし、半分に切ってトースターなどで焼く。湯葉をサラダ油(分量外)で揚げる。
3:1の金華ハム、2の揚げ湯葉をパンに挟んで皿に盛り、1のはちみつをパンにつけながら食べる。

【side dish】
[老虎菜]パクチー(1束)は茎の硬い部分を取り除いて2cm程度に切る。青唐辛子(1本)とパプリカ(1/6個)は細切りにする。これらをボウルに入れて塩(ひとつまみ)、鶏ガラスープ(小さじ1を水で溶いたもの)、ゴマ油(小さじ1)を加えて和える。
[プーアールアイスミルクティー]プーアール茶を濃いめに淹れて(鍋で煮出してもよい)冷やし、好みの量のガムシロップを加えて牛乳で割る。牛乳の代わりにエバミルクを使うとよりコクが出る。

南青山〈ミモザ〉金華ハムのはちみつ漬けサンド