乱暴者の殿様の心を奪ったカエル
愛知県名古屋市の富部神社には「戸部蛙」の伝承が伝わっています。
今から約400年前、目の前を横切るものをすべて斬ってしまう戸部新左衛門という戸部城の殿様がいました。ある日、新左衛門の前を一匹のカエルが横切り、誰もが斬られると思いきや、新左衛門はあまりの素早さに心を奪われカエルは斬られることなく無事でした。
この逸話が「無事に帰る(カエル)」に通じ縁起物としての「戸部蛙」が生まれました。

この戸部蛙は文化文政の頃、笠寺にいた瓦職人たちが瓦粘土を使って作り始めたといわれ、東海道を旅する人々の間で安全祈願の品として愛されました。
時代の流れの中で廃絶してしまいましたが、近年、富部神社によって復元されています。富部神社では、毎年、戸部新左衛門の子孫が15名ほど集まり、慰霊祭も行われています。
