岸和田城を救った蛸地蔵伝説の絵馬
大阪府岸和田市にある天性寺には、中世から伝わる不思議な伝説が残されています。
その昔、岸和田城の守本尊(まもりほんぞん)とされていた地蔵菩薩は、戦乱を避けるため城主によって堀の中に沈められ、隠されていました。
天正年間、紀州根来(ねごろ)・雑賀(さいか)の軍に岸和田城を襲われて落城の危機となった際、大蛸に乗った法師が現れて敵をなぎ倒し、さらに大波に乗り数千の大蛸が現れ、墨を吐きかけて敵軍を撃退します。その後、傷だらけの地蔵菩薩が堀から見つかり、法師は地蔵菩薩の化身だったことがわかったのです。

見つかった地蔵菩薩は城内の祠(ほこら)に祀(まつ)られることになりました。この地蔵菩薩が現在祀られているのが天性寺です。その地蔵堂は日本一の大きさを誇ります。こちらには蛸地蔵伝説にまつわる絵馬も授与されていて、一切蛸を食べずに願をかけると成就するといわれています。
