願いを成就させてくれる真っ黒な小石たち
京都市左京区にある御辰(おたつ)稲荷神社。江戸時代、東山天皇の後宮であった新崇賢門院(しんすうけんもんいん)が、夢の中で白狐に辰の方角の森で待つように告げられ、その方角へと行くと祠があったことから社殿として整備された神社です。この「辰」が「達」に通じることから、芸事が上達する神様として知られています。
その境内には、「福石大明神」という小さな摂社があります。かつて貧しい夫婦が100日の願掛けをし、境内でうっかり寝てしまって目覚めた際、真っ黒な小石を握りしめており、それを神様からの授かり物として神棚に祀ったところ子宝に恵まれ、その娘は大名の側室となって幸せに暮らしたという伝説にちなんだ神様です。
授与してもらった真黒石(まぐろいし)は、福石大明神の神前に用意された台の上に置き祈願します。石は持ち帰り、神棚に祀ると願いが叶うと信じられています。