約700年の歴史を持つ壬生狂言の清水焼土人形
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正暦2(991)年に創建されたという1000年以上の歴史を持つ、京都の律宗壬生寺。この寺院には、「壬生大念佛狂言」と呼ばれる狂言が約700年前から伝わっています。その始まりは鎌倉時代に、この壬生寺を大いに興隆した円覚上人に遡ります。
当時、上人の教えを乞う人々は数十万人にも及び、「十万上人」と呼ばれるほどの人気でした。そうした大群衆を前に、なにかわかりやすく仏の教えを説く方法はないかと考えられ生まれたのが、身ぶり手ぶりのパントマイムを組み込んだ「持斎融通念仏」です。
これが現在の壬生大念佛狂言の基となっています。今回ご紹介するのは、狂言に登場する役を土人形にした授与品「狂言人形」です。写真の「鵺(ぬえ)」は『鵺』という演目に出てくる怪獣で、体は虎、頭は猿、尾が蛇という異形をしています。
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