今にも動きだしそうなクバの葉を使った昆虫細工
沖縄にはアダンや月桃など数多くの植物を使った細工物が伝わっています。今回ご紹介するのはビロウ、沖縄ではクバと呼ばれる亜熱帯の植物の葉を使って作られた昆虫の細工物。その葉は食べ物を包んだり、撥水性があるため蓑笠(みのがさ)や、建材として屋根などに使われたりすることもある万能な植物です。
このクバの細工を作っているのは、かつて竹の一大産地で、竹細工が盛んだった北谷(ちゃたん)町で創業し、3代にわたって続く竹細工工房〈北谷竹細工〉。現在は沖縄市に工房を移し、沖縄県内で唯一残る竹細工工房として竹かごなどの民具を作り伝えています。
クバ細工の昆虫は、こちらで子供のための玩具として手遊びで作られ始めたもの。体のフォルムや節の造形など、植物の葉でできた玩具とは思えないほど非常にリアルに再現されています。