古くから牛頭天王を祀る古刹の蘇民将来
日本各地に広がり、さまざまな形のある縁起物「蘇民将来」。素盞嗚命(すさのおのみこと)の異名同体として知られる牛頭(ごず)天王が、旅の途中で、蘇民将来の家に一泊の宿を求めた際、貧しいながらも精いっぱいのもてなしを受けたことに感動し、チガヤで茅(ち)の輪を作り、これを腰に着けていれば厄災から免れる、と教えた、という故事に由来するものです。
「蘇民将来之子孫也」と書かれた八角柱のものが多いですが、こちらの兵庫県姫路市にある廣峯神社では、茅の輪に八角形の木札が組み合わさった珍しいタイプのものが「魔除けの輪守」として授与されています。また、廣峯神社は最も古くからこの牛頭天王を祀(まつ)っている神社ともいわれており、ちょうど一年の半分が終わる6月30日に、牛頭天王の故事にちなんだ大きな茅の輪をくぐる神事と、夏越(なごし)の大祓式(おおはらえしき)が行われます。