八幡様の出現にまつわる鳩笛
大分の宇佐には、応神天皇の化身といわれ、日本人に馴染みの深い「八幡様」の伝説がいくつもあります。その一つが「小倉山の鍛冶の翁」の話。翁は1つの体に8つの頭があり、見た人は必ず驚いて死んでしまうといわれていました。
話を聞いた大神比義(おおがのひぎ)なる人物が、翁を見に行ったところ、木の上に金色の鷹がいました。「あなたはどなたのご変身でしょうか?」と尋ねたところ、鷹は白い鳩に変化して、たもとに止まりました。
その後、3年間にわたり五穀を断って祈ると、竹の葉の上に子供が現れ、「われはこれ誉田(ほんだ)天皇(応神天皇)広幡八幡麻呂なり」と告げました。以来、大神比義は神官となって仕え、これが宇佐八幡の始まりともいわれています。この伝説をモチーフにしたのが、別府の玩具工房の〈豊泉堂〉で作られているこの「白鳩笛」です。