神功皇后に由来する方災除けの粽
大阪府堺市にある方違(ほうちがい)神社は、古くから方災除けの神様として知られています。堺は摂津、河内、和泉の国の境界だったことがその名の由来となっており、方違神社はどこの国にも属さない方位のない清地であると信じられています。
そんな境内の土や菰(こも)の葉を使って作られた粽(ちまき)は、悪い方位を祓ってくれるといわれ、授与品として親しまれています。粽というと餅などが入った食べ物をまずは想像しますが、祇園の八坂神社の粽など、厄除けの縁起物になることも多いです。
この方違神社の粽が作られるようになったのは仲哀(ちゅうあい)天皇の皇后である神功(じんぐう)皇后が朝鮮半島からの帰路に忍熊王(おくしまのみこ)の反乱に遭ったことがきっかけ。
その際、この方違神社で自ら菰の葉に粘土を包んだ粽を作って方災除け祈願を行い、見事打ち勝ちました。以来、この粽は、今に作り伝えられています。