ゼロワンカレー A.o.D（三田）
大阪発、インド・ケララ経由。
東京の、進化系ミールス発信中
“混ぜるカレー”を語るうえで、外せない一軒だ。なにせ、店主の立田侑志さんの出発点は、“混ぜる”ムーブメントを牽引してきた大阪スパイスカレー。その後、研究のために旅したインドで、南の、特に豊富な食材と幅広い調理法を持つケララ州の料理に惚れ込み、自身の料理をググッと現地寄りに。何種ものカレーや副菜をご飯と“混ぜる”のがデフォルトの、南インドの定食、ミールスにシフトする。
そして、現地への旅を重ねる中で、さらなる進化を心に決め、東京に移転。現在は、炭焼き台や燻製マシン、低温調理器を完備したオープンキッチンから、ケララのテイストを落とし込んだ品数豊富なミールスを発信中だ。
3種ミールス 1,950円／1：ポテト・ギーロースト 現地では、朝食や昼食でよく食べられるというギー（インドの澄ましバター）をたっぷり使った華やかな味わいのマッシュポテト。／2：バンガロール ベジヌードル カルナータカ州マンガロールの副菜。麺のように細切りにした野菜（ニンジン）をスパイスで炒め、マンゴーソースで和えたもの。／3：人参のアチャール アチャールはインドのお漬物。現地では野菜を下ゆですることが多いが、これは蒸して野菜の甘味を引き出し、オイル漬けに。／4：レモンライス ライスは3種からチョイス。これはインド米を炊いて、レモンやナッツで風味づけしたもの（＋100円）。＋250円でケララの赤米も。／5：ダール インドの定番、豆（ダル）カレー。混ぜておいしい、辛味のない優しい味のカレーは、2種のひきわり豆をブレンドして煮込んでいる。／6：ココナッツ・チャトニ スパイスで風味をつけてペースト状にしたココナッツの調味料。名産地であるケララのカレーに混ぜると、ググッとおいしく味変。／7：ベルプーリ ヒヨコ豆の粉のスナック麺や米のパフと、角切り野菜（キュウリ）を合わせ、甘辛スパイシーに味つけしたインドのストリートフード。／8：旬野菜のトーレン 他州ではポリヤルと呼ばれる、野菜のスパイシー炒め。野菜はキャベツがポピュラーで、ケララでは、ココナッツを入れるのが特徴。 
左から／チキンマサラ：〈築地鳥藤〉の鶏もも肉を使用した定番カレー。マリネして低温調理した鶏肉を、炭火で炙ってカレーと合わせているので一味違う。／ベジマサラ：野菜、ココナッツオイル、スパイスと、動物性の食材をいっさい使わず仕上げ、ベジタリアンでも楽しめるカレー。野菜は農家直送。／ラム肉ビンダルー：ビンダルーは、ビネガーの酸味が効いたゴアのカレー。これは燻製したラム肩肉を煮込み、低温調理したもも肉をのせたオリジナル。 
左／カルナータカ・サンバル ケララの北に位置するカルナータカ州スタイルの、野菜と豆のカレー。甘味とタマリンドの酸味が効いていて、フルーティな味わい。右／ラッサム ミールスには欠かせない、コショウの辛味とタマリンドの酸味が効いた酸っぱいスープ。混ぜても、口直しやシメにそのまま飲んでも。
副菜には、ココナッツの炒め煮トーレンやココナッツのチャツネ。定番カレーには、現地のソーセージからインスパイアされたという、スモークの香りが鮮烈なラム肉ビンダルーや、炭火で香ばしく炙ったチキンマサラがスタンバイ。近隣地域のテイストもちりばめつつ、ケララ名産のココナッツやココナッツオイル、スパイスをふんだんに使い、豊かな旨味を表現しているのが、ここのミールスの特徴だ。混ぜるほどに重層化する、その旨味を堪能されたし。
カレーも副菜も種類豊富なので、ライスの端を活用し、副菜＋カレーのバリエーションをいろいろ楽しむのが正解。 
【オススメの食べ方】1：まずは、ライスの端っこで副菜をサクッと混ぜ、ラッサムかサンバルをかけて、一口どうぞ。2：カレーを1種重ねて、もう一口。3：ライスの端を活用して、いろいろな組み合わせを試すと楽しさ倍増。4：ベルプーリやベジヌードルを混ぜると、食感にも変化が出ますよ。（店主／立田侑志さん）
ゼロツー ナシカンダールトーキョー（大手町）
さらにカオスなカレー、
“ゼロツー”も登場！
“混ぜる”は必然！ゼロワンの立田さん、今度は、カレーとおかずがライスの上でぎちぎちにひしめくワンプレート飯を、東京に放った。南インドから渡ったイスラム教徒が広めたとされるマレーシアの屋台飯、ナシカンダールの専門店だ。
ショーケースにずらりと並んだカレー、肉のおかず、野菜のおかずから好きなものをチョイスして、ライスにどんどんのせてもらうスタイル。現地さながらにカレーのつゆだくもOKで、食べる前から皿の上がカオス！しかも、食文化まで混ざっちゃっているのが、多民族国家ならでは、で面白い。
カレーやおかずには、ナンプラーやゴマ油、醤油といった調味料や、バイマックルなどのハーブも使われていて、“東南アジアのインド“の趣。現地流に、甘い紅茶テ・タレ（＋250円）とどうぞ。
エッグ・ナシカンダール 1,200円 
テ・タレ（＋250円）
