毎朝の味噌汁を脱・マンネリ化!味噌ツウ2人が提案する新発想の一杯

味噌汁に決まりはない、というのは百も承知。種類が多い味噌は、味の違いを語るのが難しいことも。が、なんといっても味噌汁は日本の朝ごはんの至宝。なんとかだしや具との合わせ方を探求し、もっとおいしい、新しいお椀を作りたい!そんな無理難題に、朝の一杯を欠かさないという、味噌通2人が応えてくれました。

Photo: Natsumi Kakuto / Text: Yuko Saito / Cooking: Misaki Iwaki

味噌の熟成期間とコンビネーション。

味噌と相性がいいだし、具材、吸い口をツウ2人が提案。太鼓判を押す一杯もご案内。これで毎朝の味噌汁が脱・マンネリ!

まずは味噌汁の基本から

味噌

味噌は、大豆に麹と塩を加えて発酵させた調味料。米味噌と聞くと、米が原料だと誤解しがちだけど、主役はあくまで大豆。米は発酵させる麹の種類で、ほかに大豆麹を使った豆味噌、麦麹の麦味噌がある。

麹と混ぜて発酵・熟成させる期間が、2週間前後から3年以上のものまでさまざまで、同じ米味噌でも熟成期間の長短で色の違いが生まれる。色は大豆や麹に含まれるたんぱく質と糖が反応してできるもので、一般的には寝かせるほど色が濃くなり、旨味も強くなる。

だし

味噌汁の味わいをグイッと押し上げてくれるのが、だしの旨味。熟成期間の短い、淡い色のあっさりとした味噌には、昆布、シイタケといった植物性のだしを。色の濃い、旨味の強い味噌には、その旨味に合わせて煮干し、カツオ節、サバ節など、魚介系のだしを重ねていくとおいしい。だしを引く時間がない時は、本みりんと醤油で代用したり、カツオ節をパラッと振り入れる裏技もあり。

具材

具材から出るエキスもまた、味噌汁の味を決める大切な要素。あっさりとした、色の薄い味噌には、野菜や淡泊な肉や魚を、色の濃い、旨味の強い味噌には、貝や牛肉など、旨味がしっかりある具材を合わせるのが、基本。野菜でも、乾燥させて味が凝縮した乾物や、油分を持つ油揚げなどを使うと、旨味がアップして、合わせる味噌の幅もグンと広がる。お馴染みの具も、切り方を変えると新鮮。

吸い口

汁ものに香りを添えたり、味を引き立てるために、椀によそってから添えるのが、吸い口。春の木の芽、夏のミョウガ、秋冬のユズ皮、そして青ネギやショウガなどが定番だが、実は味噌汁なら意外な食材も吸い口として活躍。爽やかさを添えるハーブ類、香りを添えるスパイスやオイル、辛味を効かせるユズコショウなど。ほんの少しで、季節感を出したり、いつもの味噌汁の表情を変えられる名脇役。

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