好みの鉱物標本を購入したら、今度はそれをどう飾り、どう保管し、どうコレクションを増やしていくか?もちろんルールがあるわけではなく、自由に楽しめばいいものだけれど、先人たちのスタイルを参考にすると、よりこの世界のコレクションの楽しみが理解できるかもしれない。
そこで、日本有数の鉱物コレクターであり、〈PEANUTS MINERALS〉なるオンラインショップも運営している亀田和人さんに、その愉しみかたを聞いた。サイズごとに揃えていくコレクション法、鉱物をアクリルベースに固定するディスプレイ法、その標本の由来を辿るラベルの見方など、鉱物コレクション独特の作法がそこにはあった。
サイズ別にコレクションする
鉱物標本のサイズは様々。コレクションする際は、サイズを揃えることにこだわる人が多い。大きく分けて5つのサイズがあり、1〜3cmのサムネイル、3〜5cmのミニチュア、5〜10cmのスモールキャビネット、10〜18cmのキャビネット、18cm以上のミュージアムとなる。ミュージアムサイズは、海外産の鉱物を集めるには大きすぎてあまり個人でコレクションする人は多くないため、その下の4カテゴリーが主なものに。
特にサムネイルサイズは小型のケースに収まる様子がかわいらしく、また価格も比較的安価なため人気があり、専用ケースに収まるサイズを探し、ズラリと並べて楽しむ人が増えている。そのほかはサイズごとの紙箱に収めて管理されることが多い。
アクリル台に立てて飾る
ケースから出してディスプレイする際は、自分が正面に飾りたい、と思う向きでアクリルベースに固定して飾る方法が一般的。アクリルベースにグルーガンやミネラルタックと呼ばれる鉱物用粘土を使って固定する。
グルーガンで取り付けた標本を外すときはアルコールを接合部に塗って浸透させることで簡単に外せる。そのほか、ピンセットやルーペ、ブラシ、スケールやライトなどが鉱物を楽しむための基本ツール。これらで掃除や観察など一通りのことができる。
ライトで照らして鑑賞する
鉱物にはライトを当てることで色が変わったり、透明度の高い部分の色が際立ったりと、また違う表情を見ることができる。またUVライトを当てることで、フローライトやコランダムなどの蛍光鉱物は蛍光する様子も見ることができる。ミネラルショーなどに行く際も通常のライトとUVライトを携行するコレクターは多い。
鉱物ラベルの愉しみかた
鉱物標本には産地や採掘時期、種名などが書かれたラベルが付く。コレクターは入手するとオリジナルの管理ラベルを付けることもあり、所有者が替わるたびに古いラベルも引き継がれていくため、これまでの来歴を楽しむことができる。その中に有名コレクターのラベルがあったりすると、標本自体の価値も上がるのだ。
いつかは欲しい!憧れの専用アクリル台
自分の鉱物標本専用にあつらえる、オーダーメイドのアクリル台もある。現在はアメリカのThe Sunnywood Collectionなどの海外の業者しかないが、標本を送るとその形状に合わせてアクリル台を削ってくれたり、脚を付けてくれ、ぴったりとマウントできるようになる。台座正面に種名などの刻印も入る。