テイスティングのプロが
牛乳を飲み比べ
同じ牛乳でも、品種、育て方、エサの違いがその個性を育む。2人はもちろん、その差を感じ取っていた。寒さに強いホルスタインは「ミルキーで、口の中にきれいな甘味が残る」、ジャージーは「アタックに甘味をあまり感じないため、爽やかな飲み口。でも、中盤から風味がグッと出てくる」、また、木次乳業が先駆けとなったブラウンスイスは「サラッとしているが、甘味、つまり旨味が強い」といった具合だ。
今回登場願った牛乳で多かったのはジャージー系。大越さんが一番好きだという髙村武志牧場の山吹色のジャージー牛乳(1)もその1つだ。また、1種のみもあれば、何種かをブレンドして理想の姿を目指すハイブリッド型も。
では2人はどんなふうに見ていったのか。牛乳テイスティングのポイントは「甘味と塩みにある」と大越さん。この甘味と塩みの出方によって、風味も味わいも感じ方が変わってくるという。例えば、山本牧場の養老牛放牧牛乳(2)。
「牧草のミネラル分が強いせいか、甘味よりも塩のような味わいを感じる。そのおかげで、全体のキレがよくなっている」。また牛乳は「クルミのようなナッティな香りが特徴」だが、「牛乳らしさ」は、この香りの強弱で表せるという。
本多さんが好きだった山田牧場のノンホモ低温殺菌牛乳(3)は、「牛乳感大」。つまり、「すごくナッティ」ということだ。
「この中で一番ナッティ。その割に余韻があまり強くないから、飲み口爽やか。ゴクゴク飲んで牛乳の風味が味わえますね」と大越さん。「香りが強いんです。色も白みが強い。風呂上がりに飲みたい感じ」と本多さん。
バリスタでもある本多さんは、「シックス・プロデュースの四季のめぐみ(4)は冷たいラテ向き」というふうに、コーヒーとの相性もこまめにチェック。
飲み比べた牛乳たち