美容のプロや、コスメマニアに限らず、一般男性の美容への意識が年々高まっているのは周知の通り。2020年度の国内化粧品市場規模は全体で2兆2350億円(メーカー出荷ベース)となっていて、構成比で見ると男性用化粧品はわずか5.4%。それでも1210億円という大きな数字に育っているのだ(矢野経済研究所調べ)。
化粧品部門では、スキンケアを中心に、グルーミングやヘアケア、メイクアップまで新ブランド、新商品が増加の一途だ。特徴的なのは、比較的意識の高い若年層だけではなく、中高年層においても意識が高まっているということ。オンラインミーティングや、SNSにおいて自らの姿を他人と共有する機会が多く、自分磨きが必要不可欠になってきている。
メンズ美容が裾野まで広がっていることを知るための一般的な指標として、スーパーマーケットやドラッグストア、量販店の購買傾向を分析したインテージのデータを中心に見ていこう。
購入ルートやジャンル別の売れ行き、年間の平均投資額などもわかるが、ユニークなのは男性用・女性用をあまり気にせず買う人もいるということ。
夫婦やカップルでシェアしている事例も多く、今後も商品開発に影響が出そうなデータとなっている。全体を通して男性の美容への意識は、コロナ禍を経て、さらに上昇していることが裏づけられているのだ。