有楽町 純廣東料理〈慶楽〉の「上湯炒飯」
以前、僕がニッポン放送でレギュラーを持っていた時に、収録の前によく腹ごしらえしに行った中華料理屋がある。1950(昭和25)年創業、有楽町の純廣東料理〈慶楽〉。2018年12月、68年の歴史に幕を閉じた。池波正太郎や9代目林家正蔵も通ったという当店の押しも押されもせぬ看板メニューといえば、なんといっても「上湯炒飯」。
洋食屋がチキンライスに使うような型で抜かれた炒飯に、上品なスープが注がれた一皿。スープから顔を出した炒飯は、海に浮かぶ孤島のようで、ちょんとのったエビが愛おしかった。閉店前の貼り紙には「弊店のような昔気質の料理店の運営を続けて行く事が、今後困難になることと判断し、一旦閉店…」と記されていたが、“一旦”に一縷(いちる)の望み。再開したら、こんな“慶”ばしいことはない。
思い出再現レシピ(2人分)
(1)中華鍋に油大さじ1を引き、ご飯400g・みじん切り焼き豚50g・小口ネギ20g・溶き卵2個を炒める。
(2)塩コショウ少々・醤油小さじ1・ゴマ油小さじ2を加えて炒めたら型に詰めてラーメン鉢に盛る。
(3)水1ℓ・顆粒鶏がらだし大さじ1・塩小さじ1弱で作ったスープを注ぎエビを3尾のせる。