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BRUTUS編集長がラジオ番組『まんまる』に登場!生放送中に「公開取材」を敢行しました

ラジオのつくりかたが知りたくて、平日昼のワイド番組『まんまる』に取材をオファーしたら、なんと番組のご厚意でインタビューの模様が生放送されることに。7月7日、編集長自らゲスト出演した放送回の記録。

本記事は、BRUTUS「NHKのつくりかた」(2025年8月16日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

photo: Koh Akazawa / text: Asuka Ochi

高山哲哉

改めまして、本日は番組の舞台裏を公開取材ということで雑誌『BRUTUS』の編集長がお越しです。

田島朗

よろしくお願いします!
しかし、コーナーが始まっていきなり、おやつを食べることになるとは思いませんでした。これはどういうきっかけで始まったんですか?

高山

ラジオって1人で聴いている人が多いんですよね。ですから、3時台のこの時間は、せーので「いただきます」をして、みんなでつながろうということで始めたんですが、意外と好評で。中継現場に私はこのおやつをいただきます、と見せに来てくださる方もいらっしゃるんです。

田島

ラジオならではですね。番組は2年目に入りましたが、慣れてきたなと思うことはありますか?

ドリアン・ロロブリジーダ

放送当初と比べると、高山さんとのやりとりで、ドスンと体を預けていいんだなと思えるようになりました。

高山

最初の2〜3週で全部で16人いるパートナーの息がつかめてきて、さらに2年目になり、ファンの方が増えたなと感じています。長くラジオを続けている高田文夫先生は、10年がワンクールとおっしゃっているので、まずはそこを目指したいなと。

田島

高山アナは、毎週木曜日に全国各地に中継に行ってリスナーとふれあっていますが、中継の初回には1人しか来なかったと聞きました。

高山

しかもその1人は、たまたまフィットネスクラブで流れていたラジオを聴いて本当にいるのかどうか確かめに来た方で(笑)。今は多いと180人くらいが集まるようになって、リスナー同士がもてなし合うようなコミュニティができています。

田島

この番組にしかないポイントって、どんなところにありますか?

高山

予定になかったことで盛り上がってしまって、シナリオにあったことが聞けないまま終わってしまったり、そういうことを歓迎してくれるのがラジオなので、用意をしすぎないのがポイントかもしれません。

田島

雑誌のインタビューも失礼のないように準備はしますが、会話の流れで内容が変わっていったりする。共通点があるように思いました。

高山

生放送で取材されるのは初めてなので、改めてラジオの魅力を考える機会になりましたね。「放送中に高山さんとドリアンさんが取材されているのは新鮮です」とつぶやいてくださっている方もいますね。

田島

こうやってすぐ反応が来るのも生放送のいいところでしょうね。

生放送中のスタジオ。最初のおやつがよかったのか、終始和やかなムードの取材となった。

(中略〜後半ジングル♪)

高山

今日の3時台は“あの雑誌が『まんまる』を公開取材!おやつとラジオと編集長と”というタイトルでお送りしておりますが、田島さん、行きますよ!
ここからは〜!

田島

(エコー)雑誌編集長・田島朗、『まんまる』月曜パートナー、ドリアン・ロロブジータに……ロロブリジーダに迫る!
嚙んでしまいました(笑)。

高山

生放送ならではでございます。

田島

頑張って練習したんですけどね……ではまず、ドリアンさんがドラァグクイーンを目指したのは?

ドリアン

ドラァグクイーンの存在を知ったのは、高校3年生の頃でした。近所にゲイの先輩方が数名いて仲良くしてもらっていて、ある年の年末に、その中の1人がドラァグクイーンのいでたちでカラオケ大会に登場したんです。その姿を見た時に雷に打たれたような衝撃を受けました。自分も勉強したいという思いを強く持って、化粧の手ほどきをしてもらったり、見よう見まねでお化粧してみたりしたのが始まりです。

田島

ロロブリジーダという名前は、イタリアの女優、ジーナ・ロロブリジーダから取られたそうですね。

ドリアン

大学時代、ドラァグネームをつける時に、仰々しい名前にしたいなと。昔の名画や女優さんのことを学ぶ中で、濁点が多くて強そうだったのと、グラマラスで勝ち気な女性の役柄をよく演じていたのも気に入って、ロロブリジーダをお借りしました。ドリアンの方は、果物の王様で臭いけどクセになるところがいいかなと思ってつけたんです。

田島

今のシーンというのは、どのように変化しているんですか?

ドリアン

私がデビューした当時はアンダーグラウンドなカルチャーで、様々な権威や世間体に対してのアンチテーゼというところがありましたが、よりポピュラーなものになっていると感じています。かつての斜に構えるような視点は保ちつつ、どのようにポップカルチャーと融合できるのかは、日々模索していますね。

田島

様々な発信をされていますが、その原動力はどこにあるのでしょう。

ドリアン

メッセージを発信したいというより、一番は自分がやっていて楽しいし、気持ちいいからですね。

田島

これからの夢や野望は?

ドリアン

これまではミュージカル出演というふうにお答えしていたんですけど、今はそうですね、世界はいつ私を見つけるんだろう……って。

田島

もう見つけ始めているんじゃないですか⁉

高山

すでに『まんまる』が見つけていますよね!

ドリアン

見つかっちゃった(笑)。

高山

というわけで、あっという間にお時間ですが、最後に、田島編集長からご質問がありましたら。

田島

これから『まんまる』で挑戦したいことをお伺いさせてください。

高山

ラジオの輪をじんわりと広げて、5〜10年経った時に、こんな大きな箱にこんなに大勢のリスナーが集まったんだなというようなイベントができたら嬉しいですね。

ドリアン

日々どうしても心がトゲトゲしてしまうことがありますが、番組のタイトルのように、リスナーの心が少しでも『まんまる』になるように努めていきたいと思います。

田島

そう考えると『まんまる』って、本当にいい名前ですよね。

2025年7月7日の生放送の記録

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