古めかしくて新しい
カオスでシュールな映像世界
実写とCGを組み合わせたカラフルでシュールな映像を生み出すマルルーンさん。彼が脚光を浴びたきっかけは、高校の課題で制作した「モーション」という作品をSNSに投稿したことだった。「意識したのは、短尺で中毒性があって面白いもの。まずは観てもらうことが第一なので、SNSで“バズりたい”という多少の下心はありました(笑)」
とはいえ仕事に繋がるとは思っていなかったそうだが、今や、ゆずをはじめ名だたるアーティストのMVを手がけるまでに。最大の武器は、80〜90年代の映像を思わせるエッセンスとCGが繰り出す中毒性のある動き。「あえて情報過多になるように作っている」という彼は、どんなものからインスピレーションを得ているのだろうか。
「古めかしさが面白いと言っていただくことも多いですが、昔の映像ってほとんど観てきていなくて。自分と同時代のものからの影響の方が大きいんです。日頃からSNSを見漁(あさ)っていて、映像だけでなく気になる表現やアイデアがあればすぐに保存して“リファレンスフォルダ”に溜め込んでいます。最近だとK-POPのMVのディテールが気になって、よく観ていますね」
着実にキャリアを前に進める彼だが、現在も美術系の大学に通う大学生。学校で学ぶ時間を何より大切にしている。「映像の知識や理論を授業で学んでから、感覚頼りではなく考えながら作れるようになった気がしています。型破りなことをするにも、型を知っていなければ始まらないはず。学ぶことをやめちゃいけないなと思っています」
マルルーンの次を生み出す仕事術
- SNSの拡散力を最大限に活用する。
- 情報量の多さで、独自性を形作る。
- アイデアの種は“リファレンスフォルダ”へ。
- 仕事だけでなく、学生生活を大切にする。
- 現状に甘んじず、謙虚に学び続ける。