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新〈肩書〉辞典。“雑草料理研究家”・前田純が考える雑草食

時代を変える!?新〈肩書〉辞典。“雑草料理研究家”の前田純さんを紹介。

初出:BRUTUS No.921『いい自転車。』(2020年8月1日発売)

 

text: Emi Fukushima

畑の嫌われものを、日常生活の主役へ

雑草を自ら育て、シェフと組んだ料理開発や商品開発によって可能性を広げる。愛知・稲沢市と長久手市に計4000m2以上の畑を持ち年間80種を超える雑草を育てる前田氏。当初は不審がっていた近所の農家も、3年を経て温かい協力者に。

しかし「広くて大変だろうから、ついでに刈っといたよ」と商品が駆除される悲しい事故も時々起こる。「雑草は、野菜と比べて2倍近い栄養素が入っているものもある」とし、その生命力の強さゆえに食糧難の救世主となると見込んでいる。

雑草フレンチ料理
シェフと考案した雑草フレンチ料理の一品。雑草ブレンド茶をソースに。

【印象的な雑草料理】
からむしの砂糖漬け。特有の繊維質な食感の悪さが消え、予想外のおいしさに。

【注目の雑草】
シロザ。食用や日用品への加工のほか、バイオエタノール燃料へ応用の可能性あり。

セイタカアワダチソウと植物図鑑
左/畑で育ったセイタカアワダチソウ。美容サロンへ、ヨモギ蒸しならぬセイタカ蒸しの原料として。右/バイブル的植物図鑑の一部。