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広がる恋の形を6つの作品から紐解く〜イノセント編〜

LGBTQに象徴されるように個々のセクシュアリティが多様化する今、あらゆる関係が「恋」の一つとして受け入れられつつあります。実践には弱いけれど、恋が描かれたカルチャーには目がない小誌編集部員AとBのコンビが、様々な関係に光を当てる作品を求めて東奔西走。すると“真の恋”が見えてきました。

Photo: Kaori Ouchi / Text: Emi Fukushima / Cooperation: Ao Omae, Naoto Mori

踏み込んだ聖域には、
恋の純粋さがあった

A

今Netflixで配信中のリアリティ番組『ラブ・オン・スペクトラム〜自閉症だけど恋したい!〜』が話題だけど、最近になって光が当たった恋ってほかにもあるかな?

B

高齢者の恋愛は多い気がする。漫画『傘寿まり子』では80歳の女性が彼氏と同棲するし、絵本『ぼくのポーポが こいを した』ではおばあちゃんとぬいぐるみが結婚する。

A

面白そう!高齢者なら、ドキュメンタリー映画『あなた、その川を渡らないで』も必見。むず痒いほどラブラブな98歳の夫と89歳の妻の夫婦を撮っていて。森さんいわく、本作は20代の若者に支持されて韓国で大ヒット。「離婚という選択肢が一般化した今、“別れない”ことが究極の純愛なのかも」だって。

B

観たい!ほかには“複数恋愛”を描いた小説『最愛の子ども』に驚いたな。あと、動物と人との恋を明らかにしたノンフィクション『聖なるズー』は知っている?

A

……えっ、動物?

B

性暴力などの人間との辛い恋を経た著者が、ペットと対等な関係を結ぶ人々を取材して、真実の愛を探すセンセーショナルな作品なんだ。

A

へー!対象を問わず、心が通じ合えば、それはもう恋なのかもね。