大型淡水魚の不穏さにドキドキ……
僕にとって水族館は“怖さ”と切り離せないもの。子供の頃、地元の〈江の島水族館〉によく行っていたのですが、薄暗い雰囲気や、館内に置かれたグロテスクな生物の剥製が怖くて……。でも不思議とまた行きたくなるのは、“怖いもの見たさ”なんでしょうね。
一番怖いのは大きな淡水魚がいる水槽。体のフォルムも動きも全体的にぼんやりしているせいか、次に何が起こるかわからない不穏さがある。そこがすごく怖いんだけど、見ちゃうんですよね。僕は昔から水中や、不思議な川の夢をよく見るので、前世は大型魚を恐れる小さな川魚だったのかもしれない、魚座だし(笑)。
川や湖に行くこともよくあって、〈滋賀県立琵琶湖博物館〉にある水族展示室は好きなスポット。琵琶湖の主といわれるビワコオオナマズ、小型ナマズのネコギギや水中に巣を作って子育てするハリヨなど、貴重な淡水の魚を飼育しているのもいいですね。実物の水草や岩がレイアウトされた水槽は疏水(そすい)を横から覗き込んでいるような感覚になれて、夢のような空間です。