京都の音を楽しむ6軒。ミュージシャン・吉田省念が案内

選曲の良いカフェでランチを済ませ、レコード屋へ。歩き疲れたらジャズ喫茶でコーヒーを。早めにビールで乾杯し、音をつまみに音楽談議。ほろ酔い気分でリスニングバーへ。音楽が響く街で過ごす一日は最高だ。

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Illustration: Yuka Kamogawa / Text: Yusuke Nakamura

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京都のミュージシャンが選ぶ
どんな音楽でも味になる空間

日本のロックレガシー、京大西部講堂はいわずもがな。今も昔も学生の街ということでバンドカルチャーが盛んな京都。「小さい街なので音楽の良い店同士に横のつながりがあって面白いんです」と話すのは地元ミュージシャン、吉田省念さん。

案内してくれたスポットは店主がバンドマンだったりと音楽と密接な店ばかり。だからこそ「どんな音でも自然と空間に馴染んで味になっている」と省念さん。バーから美容室まで、いわば音楽が自生する京都らしいカルチャーを感じられるはず。

京都エリア リスニングバー マップ

BeautyHairSalon

「普通の美容室では考えられない音量でどーんと鳴っているのがいい」。

紫野で29年、片山孝和さんが営む名物美容室。DJも多く、お客さんに合わせ真空管アンプ+JBLスピーカーで鳴らされるのはロック、レゲエ、テクノまで縦横無尽!

CAFÉ ZANPANO

「店主のニーヤンはどんな音楽にも詳しくてアーティストのことなど、1聞いたら100は返ってくる。

近くを走る叡山電鉄の音もこの店の音楽」。元田中駅すぐのカフェバー。BGMは戦前のジャズから省念さんのポップな最新作までジャンルレス。

チタチタ喫茶

「近くの〈拾得〉に出演する際はここを楽屋のように(笑)」。

ライブ前の観客も集う喫茶店。かけるのはレコードでジャンルレスな選曲。店主・三吉睦美さんのマイブームはロックステディ。お客さんがレコードを持ち寄る催しも。レモンケーキが人気。

WORKSHOP records

「盤質の選定もきちんとされているところから店主の苗村聡さんのレコード愛が見えてくるお店ですね」。

ロック、ニューウェーブ、ジャズ、レゲエなどオールジャンルのセレクト。京都の音楽好きなら知らぬ者はいないレコードショップ。通販なし。

Alphabet Ave.

「普段からDJが集い、レコードをかけるイベントが自然と始まったりするのも面白い。昨年の開店16周年には店内でライブも開催」。

80年代に活動したニューウェーブバンド、ザ・ノーコメンツの元メンバーTacoさんによる鴨川を望むバー。

BarUSAGI & USAGI♭

「打ち上げで京都のバンドマンが集う賑やかなお店ですね」。

“永遠の初期衝動バンド”ザ・ノックダウンズのミヤガワ修虫さんが営む高瀬川沿いのバー。ライブも開催。特製カレーも人気。

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