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サブスク世代の遊び場&学び場、桐生〈G.L.C〉。〈どんぐりず〉とリスニングバーへ

なぜ人は、リスニングバーに行くのか。旨い酒と洗練されたその選曲は、愛聴盤を新鮮に響かせ、新しく出会った一枚も名盤のように聴かせてくれる。店を信頼するゲストと店主が語る、音楽と酒の話。

Photo: Takahiro Idenoshita / Text: BRUTUS

サブスク世代の遊び場、
学び場としてのリスニングバー

「こないだかけてくれた、Massive Attack。ずっとリピートしてますよ!」とビール片手に話すのは、〈どんぐりず〉の森さん。

WONKやBIMはじめ日本の音楽シーンの最前線を走るミュージシャンから熱視線を浴びる彼らが通うバーが桐生にある〈G.L.C〉だ。店主のmasatakaさんは、桐生でDJとして活動。2020年8月に同店をオープン。

「もともと、DJカルチャーが盛んで、彼らが足繁く通うレコード屋も多い。ただ、昨年、長年桐生のDJシーンを支えてきたクラブがなくなっちゃって。音楽を楽しめる場所を作りたいと思って、オープンに踏み切ったんです」

棚に並べられたレコードは、ヒップホップ、ソウル、レゲエ、ジャズ、ブレイクビーツ、インストが中心。

2杯目を頼んだ〈どんぐりず〉のチョモランマさんが、彼らなりの音楽との出会い方を話してくれた。「ここで、masatakaさんとか先輩DJが音楽を教えてくれるんです。普段はサブスクで聴くことが多いけど、詳しい先輩から教わった方が、いい音楽に出会う確率は高いですね」

群馬〈G.L.C〉店内

次のレコードに針を落としたmasatakaさんが会話に入ってきた。「いやいや、僕にとっては逆に彼らが先生。2人は音楽を作ってる。僕らはそれを所有しているだけ。彼らの音楽を聴くと、このトラックをこんなふうに使うのか!と感心することも多いですよ(笑)」

「これ誰の曲ですか?リズムがめっちゃかっこいいですね」スピーカーから流れ始めたMakoto Takeshigeに反応する森さん。手元はビールからハイボールに突入し、まだまだ音楽談議は続きそうだ。

対談中に流れた4枚

『Mulatu Of Ethiopia』Ethiopia Airlines
『M_』Makoto Takeshige
『Project Blowed 10th Anniversary』Various Artists
『Sankofa Season』Tatham And Ashong