動画視聴はもはや生活の一部だ。家で、電車で、会社や学校で、少しの隙間を見つけたらすぐにムービーを鑑賞してしまう私たちは、知らず知らずのうちに、数秒の世界観に影響を受けてしまう。
生活は便利であればあるほどいい。もちろん、動画視聴だって同様。新しいインターネットブラウザ『Brave』は、動画視聴の利便性を飛躍的にアップさせた。まず第一に、煩わしい広告表示がない(※ユーザーが許可した場合に限り「Brave」が用意するプライバシーを配慮した広告の表示が行われます)。また、自分のプレイリストを作成しておくと、オフラインでも動画の再生が可能。YouTubeをはじめオープンなウェブ標準メディアのほとんどに対応しているのも嬉しいポイントだ。
この『Brave』を使ってプレイリストを作るとしたら? 11月30日にBRUTUSがサービスを開始させた、クリエイターとファンを繋ぐ新しいプラットフォーム「BRUTUS CREATORS HIVE」に参加する4人のクリエイターに「テーマを決めて3本だけ好きな動画を挙げるなら」という質問をぶつけてみた。
01. 越智康貴(フローリスト)
フローリストとしてのみならず、写真や文章のカテゴリーでも活躍する越智康貴さん。「僕は、割と“これまで”を壊したくなっちゃうんです。そのほうが楽しいと思ってしまって(笑)。きっとこれって新しい“挑戦”を行うからなのかもしれません。今回は、そんな僕の初期衝動を突き動かしてくれる、独特のユーモアを持った3本を考えてみました」という越智さんのラインナップは幅広い。
「①は、YouTuberのエミリンさんが少女漫画を書いた回。彼女が、いつもとはまったく違うカテゴリーの作業に挑戦したわけですが、途中起き上がれなくなるほど笑いました。必見の動画です。
②は歌手である宇多田ヒカルさんがはじめて自分のMVのディレクションをしたようです。彼女がやりたいことがたくさん詰まっているような仕上がりで、視聴後はまさに初期衝動に突き動かされる感じがします。
③はディズニー初期の作品だと思うのですが、セリフなしの音楽とアニメだけの作品。昔のものなのに新しい感じがして見飽きません」
02. 瀬木暁(蒸留家)
鎌倉のお惣菜屋さん「オイチイチ」の夜の部を担当する瀬木暁さん。長野県は野尻湖のほとりに蒸留所とハーブ園をつくり、スピリッツの製造をスタートさせる。逗子海岸映画祭をはじめ多くのイベントを手がけるシネマキャラバンのメンバーである彼に“酒を音楽”をテーマに3本レコメンドしてもらった。
「①は、シネマキャラバンの主宰者・志津野雷が世界を旅して撮ってきた映像の超不定期連載の第1弾で、ニューオリンズの葬儀の模様。登場人物が濃くてかっこいい。辛いバーボンをちびちびやりながら観たいです。
②は、ブラジルのデュオÀVUÀのMV。このデュオの女性シンガーBruna Blackにハマりました。歌もギターも打楽器も素晴らしいのですが、何よりかわいい(笑)。地球の裏側のインスタライブを一人でニヤニヤしながら観ちゃってます。もちろん、片手にはブラジルの国民的カクテル、カイピリーニャを!
僕たち夫婦が鎌倉で営んでいるお惣菜屋〈オイチイチ〉。よく子供たちを連れて旅に出ては、その土地で出会った人や土地、文化などからインスピレーションを得て、店に還元していました。2017年には1ヶ月もの間、スペイン・バスク〜ポルトガルへと足を運んだのですが、そのときの記録が③。旅の気分を味わいながら、自分が本当に好きなお酒を楽しんでください。」
03. 櫻木大悟(ミュージシャン)
人気バンド「D.A.N.」でギター、ボーカル、シンセサイザーを務めていた櫻木大悟さん。来年、バンドは休止することを発表したが、個人としての活動は続けることに。
音楽三昧の櫻木さんがインスピレーションを得られる動画として挙げたのが上記の3本。
「まず①の動画に登場する彼は、Floating Pointsのサポートを行っています。ここ2〜3年追いかけているのですが、このムービーは制作に行き詰まったときに観ています。友達にもよく勧めているんですよ。
②の演奏を行っているSoulectionはロサンゼルスに拠点を置くグループ。たまたまネットサーフィンをして発見した動画です。特にドラマーがお気に入りです。
③は敬愛するSteevioの動画。彼のプレイを観ていると、とても刺激になります。オリジナルのシステムをつくることが大事だと気付かされました。以前、彼の動画で使われているモジュールがカッコよくて自分用に購入したこともありました(笑)」
04. 柿本ケンサク(映像作家)
数々の広告作品や名立たるミュージシャンたちのMVなどを手がける傍ら、現代美術家としても活躍する柿本ケンサクさん。彼が選んだ3本に共通するテーマは「視点」だ。
「①は坂本龍一さんの監修による“音楽全集”。全17巻あるのですが、こちらは僕が撮影した回で、『ボレロ』の作曲家として有名なラヴェルにフォーカスしています。当時の事例を今のカルチャーに置き換えて話すなど、坂本さんの解説が絶妙に面白い。
2011年3月11日、未曾有の天災が日本を襲ったとき、僕たちは日本にいませんでした。なんでしょう? 助かったという気持ちと、一緒にいたかったという相反する気持ちがあります。そのときの気持ちを親友の窪塚洋介くんとフィルムに留めたのが②。この瞬間は一生忘れることがないと思います。
盟友・坂口恭平と一緒に熊本で独立国家をつくるため、2011年に政権演説の動画撮影を敢行しました。③は、そのときの記録。恭平は常に私たちの価値観をアップデートしてくれる。彼自身が天才であり、天災だと思うんです」