中島らもの命日、
せんべろ忌。
高校生の頃、校内冊子の制作を言い訳に、高校の先輩である中島らもさんにインタビューをしに行ったことがあります。その時にかけてもらった言葉が“30歳まで自殺をするな”。悩みは年とともに変わるから、騙されたと思って20代を乗り切ってみろ、と。
以降、たびたびその言葉を思い出して生きてきたような気がします。この言葉同様、らもさんの書くエッセイや小説は、自身もうつ病やアルコール依存症など、あらゆる生きづらさを抱えてきたからか、弱い人への眼差しが温かいんですよね。誰が善で誰が悪か、何かを断罪するのではなくあくまでも「人」を描いている。だから、遺った作品はどれも普遍的で古びないのかなと。今こそ多くの人に読んでほしいです。