世界遺産・延暦寺があり、約100のお堂が点在する京都屈指の名山、比叡山。標高は848m、頂上からは京都市街と琵琶湖が見渡せる絶景が望めるが、ハイク目的で京都に来ていない旅行者には、少し難易度の高い山でもある。そこで今回は、出町柳で山道具と菜食料理の店〈山食音〉を営む東岳志さんに、フラッと遊びに行ける“比叡山下山トレイル”を紹介してもらった。
「登るだけが登山じゃありません。苦労して見る景色はもちろん最高ですが、普段着で楽しめる絶景スタートのトレイルもおすすめです」
コースは右ページに記載の通り。出町柳駅前で「比叡山山頂ゆき」のバスに乗り約1時間、比叡山山頂バスターミナルに到着する。さっそく、右手には琵琶湖、左手には京都市街が一望できる絶景が!実はこの山頂、「京都一周トレイル 東山コース」のゴール。しかし今回の下山トレイルではスタートに位置する。ターミナルの程近くにトレイルの入口があり、京都市街を見下ろしながら、まずは腹ごしらえを。
「焼き討ちがあった頂上付近は、背の高い植林地帯が続きます。また殺生が禁じられている神聖な山なので、野鳥や草花など自然が豊か。頂上から20分ほど下りるとツツジ畑が現れ、5月に満開になります」
ツツジ畑を越えトレイルらしい起伏のある山道に突入するも、下りなのでへっちゃら。落ち葉の上を歩き、下り続ける。途中、巨大な電波塔や宝ヶ池を見下ろす絶景ポイントを通過し、1時間半ほど進むと、瓜生山への入山ポイントに到着。
「雲母坂を経て下山してもいいですが、瓜生山に入るルートがおすすめ。水場もあり山の雰囲気も変わりますし、下っているだけなので体力にも余裕がありますよね?(笑)」
「京都一周トレイル 東山69」の道標を見つけたら、大きく左に旋回して瓜生山方面に下る。音羽川の沢沿いを越えて、瓜生山方面は気持ち良い道を進むこと1時間。ゴールの〈北白川大山祇神社〉に到着!
「頂上からのんびり歩いても3時間、昼前に入山しても夕方には下山できます。その後は街に繰り出すもよし、物足りない人はこのまま大文字山を登るのもよし。登山初心者や山道具を持ってきていない旅行者でも楽しめるコースだと思います」