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理由があるから泊まる。 京都の個性際立つホテル4選

せっかく京都に来たなら、宿泊も夢見心地になれるホテルを。元小学校、お寺と一体、絶景、温泉付き客室。記憶に残る個性的なホテル4選。

photo: Shimpei Hanawa / text: Yuko Saito

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ザ・ホテル青龍 京都清水(祇園四条)

教室、廊下、講堂……。
懐かしい気分になれる元小学校のホテル

昭和8(1933)年に建てられた、清水寺に程近い元清水小学校が生まれ変わって誕生。エントランスを抜けると、中央にはかつて子供たちが駆け上がっていただろう大階段。それをコの字に囲む、建築当時のままの洋風デザインを残した3棟の元校舎がホテルだ。

〈ザ・ホテル青せいりゅう龍 京都清水〉ホテル内廊下
天井の梁を生かした廊下。

朝食用のレストランは、天井高4mの講堂だった場所。アーチ形の窓など、当時の建築によく見られたというクラシックモダンな意匠を、客室など随所で見られるのが、滞在の楽しみ。階段や廊下を歩いて客室に向かうのも新鮮で、懐かしい記憶が蘇ってくる。

三井ガーデンホテル 京都河原町浄教寺(四条河原町)

厳かな雰囲気に浸れる、
お寺とホテルの新しい形

平清盛の長男、重盛が創立したという浄教寺と一つになったホテル。参道を進んでロビーに入ると、お香が香り、ガラス窓越しに本堂が見える。館内を見渡せば、再建前の浄教寺ゆかりの獅子付き留蓋瓦や木鼻などがそこかしこに。客室にも、燈籠をモチーフにした照明や手水鉢を思わせる洗面台を設え、滞在していると、お寺と共存しているからこその特別感がひとしお。宿泊者は燈籠が幻想的に連なる本堂を見学することもできる。

MUNI KYOTO(嵐山)

嵐山の絶景を眼前に
至福のフレンチという贅沢

眼前に広がる嵐山、耳に心地よく響く桂川の音。渡月橋のたもとという、とびきりのロケーションに佇むホテルの客室は、山に囲まれた市内にありながら、格別の開放感。景色と空気だけでも十二分にごちそうだが、そのうえ、渡月橋を眺めながら味わえるのが、デュカス・パリのレストランシェフ、ユーグ・ジェラールが手がける朝食やランチなのだから、なんとも贅沢だ。

テロワールを大切に、京都やその近隣の食材を積極的に取り入れて作るフランス料理の皿は、モダンにしてナチュラル。嵐山の自然と相性がいい。

ふふ 京都(東山)

客室内で温泉に浸かりながら、
京都らしさに触れて、極楽、極楽

全室温泉付きの客室が高い人気を集めている高級旅館〈ふふ〉が、南禅寺エリアにも誕生した。入口に、南禅寺の住職の筆による表札がひっそりとかかるここは、琵琶湖疎水が池に流れ込む日本庭園を擁する元料亭。

部屋に入るやヒノキがプンと香る温泉を設えた客室には、その疎水をデザインに取り入れた絨毯が敷かれ、お湯を沸かす鉄瓶や手水鉢など、京都らしさが随所に。温泉のあとは、季節を映す敷地内の日本庭園を散策するもよし、庭園を望むバーで一杯を楽しむもよし。翌朝は4段のお重の朝食が待っている!

〈ふふ 京都〉4段重「福重膳」
朝食は、福を重ねるという意の4段重「福重膳」。白味噌の小鍋も付く。庭を望むレストランか部屋で。

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