注文ごとに果物のカットから始めるここの「チューハイ」も、立派なフルーツカクテルじゃないか。京都〈ふる里〉は、そんなメニューが人気な地元密着系の居酒屋だ。
「店ができたのは昭和50(1975)年。このへんを出し始めたんは30年くらい前、僕が入ってから」とチーフ・渋谷明広さん。最初はグレープフルーツを市場で仕入れるうち、自然とほかの果物にも手が伸びた。
今ではイチゴ、スイカ、巨峰、桃、梨、ザクロ、柑橘類……と四季に合わせて大充実。刺し身に揚げ物、焼き物と居酒屋の王道料理(ちゃんと旨い)を同時進行で作るチーフの手際の良さといったら!値段も「ちょっと高いねん」という「いちごチューハイ」で890円。この一杯にイチゴ1パック(!)を使う贅沢さ。こうなりゃ、目指せ全制覇でしょう。