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ミュージシャン・松下洸平が、セカンドシングルに込めた想い。自分を模索し誰かの背中を押すために

ドラマに舞台にと、出演作が止まらない松下洸平さん。役者として頭角を現す前から続けている音楽活動について話を聞いた。

photo: Shinsaku Yasujima / styling: Taiji Goto / hair&make: Kosuke Enami / text: Emi Fukushima

松下洸平さんが役者として頭角を現す前から続けているのが音楽活動だ。

「舞台の現場では、たった一行のセリフに、どんな思いがこもっているか、どういう言い方がいいか、と2、3ヵ月かけて向き合います。考えれば考えるほど実感するのは、人の感情は複雑で、絶えず変化している、答えが一つではないこと。その学びは楽曲制作にも生きているようにも思います。歌詞が綺麗事になっていないか、投げやりになっていないかを、考えるようになりました」

芝居から学んだ、
“答えは一つでない”こと

「仕事柄なのか、自分を見失いがちなところがあって。撮影期間に入ると、役のことばかり考えてしまったり、物事も役の目線で捉えてしまったり。一方で、不意に自分らしさを求められる瞬間もある。そうした葛藤の中で生まれたのが『Way You Are』という曲です」

2008年から音楽活動を続けてきた松下洸平さんが、改めて本名名義でメジャーデビューしたのは21年のこと。8月にリリースされる「Way You Are」は2作目のシングルとなる。松下さんも作詞に参加したこの曲は、そのままでいい、と背中を押してくれるポジティブな楽曲だ。

「本当の自分を模索する沼から抜け出すには、肯定してもらえることが必要じゃないかと思っていて。誰かの救いになればいいなと」

松下洸平

ほかのクリエイターとともに作っていった今作。「Way You Are」は気鋭プロデューサーのUTAが、カップリング曲「Only you」はMichael Kanekoがそれぞれ作・編曲担当。チームプレーで楽曲制作に当たることで、新しい発見も多かったという。

「0から100まで自分で作っていく面白さというのももちろんあるけれど、今回はメロディラインもアレンジも、コーラスラインも、自分では思いつかなかったアイデアをいただくことができて、大いに刺激をもらいました」

そして、チームでプロジェクトを進めていく面白さは、役者の仕事にも共通する。

「年々チームの大切さを強く感じるようになっています。芝居であれ音楽であれ、もの作りは団体競技。みんなで同じゴールに向かおうという意識を持つと、コミュニケーションが活発になるし、その結果いろんな意見が飛び交って面白いものができる。何より、楽しいんですよね」

松下洸平

俳優として引っ張りだこの中でも、なぜ音楽活動を続けるのか。その問いに対しての松下さんの答えは「好きだから」と至ってシンプルだった。

「聴くのも、歌うのも、演奏するのもすごく好き。いいものができた時に誰かに聴いてほしいという願望も消えなくて。だから、音楽を手放したくないんです。ミュージシャンとしての松下洸平を知ってもらえるよう、今はできる限り、多くの歌える場に立つことが目標です」