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茶割りを片手に、本格中華を立ち飲みで。自由が丘〈立呑み中華 起率礼〉

中華で飲む日の正解は、もちろん何を食べたいかによって変わるもの。ワインと中華がもはや定番化する中、クラフトビールや中国茶割り、リキュール。さまざまな酒を提案する店が出てきている。飲み道楽のためのシン・中華酒場。

photo: Shin-ichi Yokoyama / text: Koji Okano

よだれ鶏×中国茶割り

ここ数年あった立ち飲み中華ブームの兆しを大きく決定づけた〈立呑み中華 起率礼(きりつれい)〉。2023年12月の開業以降、約4坪の店内は連日盛況で、酔客が作る輪は外へはみ出さんほど。

主に客が手にするのが、店イチオシの茶割り。〈UMACHA〉から仕入れる旨味の強い茶葉を店内で8時間以上かけて抽出し、割り材にしたドリンクだ。

桂花蜜烏龍割り、よだれ鶏
桂花蜜烏龍割り690円。よだれ鶏690円は修業先〈JASMINE〉の味をアレンジ。調味料を配合したたれが味の決め手。自家製ラー油が香る、生本マグロ中落ち紅油(ホンヤウ)掛け990円。マグロは長崎産を使用。驚きの高コスパ!

「とにかく茶葉の香味を堪能していただきたいので、焼酎は控えめに入れています。口当たりがいいので何杯も飲む方がおられますが、飲みすぎにはご注意ください!」。そう言ってはにかむ井上史子シェフは、〈ザ・リッツ・カールトン大阪〉や〈ウェスティンホテル東京〉の中華料理レストラン、広尾の人気中華〈JASMINE〉で経験を積んだ。

その名店仕込みの腕前が冴えるのが、よだれ鶏。艶やかな身はしっとりと旨味を湛えたまま軟らかく、数種の調味料を用いるたれは味わい深く、また花椒(ホワジャオ)の香りが華やかな一皿だ。

立ち飲みで本格中華が楽しめる。酒好きには最高の時代が到来している。

香港焼きそば
香港焼きそば790円。ゆでて戻した乾麺を卵、ニラ、黄ニラと炒め、たまり醤油やナンプラーなどで味つけ。シンプルな具材ゆえにするすると胃に収まり、またアテにもなる一品。