よだれ鶏×中国茶割り
ここ数年あった立ち飲み中華ブームの兆しを大きく決定づけた〈立呑み中華 起率礼(きりつれい)〉。2023年12月の開業以降、約4坪の店内は連日盛況で、酔客が作る輪は外へはみ出さんほど。
主に客が手にするのが、店イチオシの茶割り。〈UMACHA〉から仕入れる旨味の強い茶葉を店内で8時間以上かけて抽出し、割り材にしたドリンクだ。

「とにかく茶葉の香味を堪能していただきたいので、焼酎は控えめに入れています。口当たりがいいので何杯も飲む方がおられますが、飲みすぎにはご注意ください!」。そう言ってはにかむ井上史子シェフは、〈ザ・リッツ・カールトン大阪〉や〈ウェスティンホテル東京〉の中華料理レストラン、広尾の人気中華〈JASMINE〉で経験を積んだ。
その名店仕込みの腕前が冴えるのが、よだれ鶏。艶やかな身はしっとりと旨味を湛えたまま軟らかく、数種の調味料を用いるたれは味わい深く、また花椒(ホワジャオ)の香りが華やかな一皿だ。
立ち飲みで本格中華が楽しめる。酒好きには最高の時代が到来している。
