この夏こそ「賢くおいしいライフスタイル」を実現したい。まずは、伊勢丹新宿店・食品フロアマネージャーの上野奈央さんに、デパ地下で実現するアイデアについて教えてもらった。では家庭の食卓ではどうやったら実現できるのだろうか?フードコーディネーター・尾身奈美枝さんに教えてもらいました。
“丸ごと”こそ、賢くおいしい食卓の第一歩
フードコーディネーターの尾身奈美枝さんは、最近の家庭の食卓から“丸ごと”が減っていることが、とても気がかりだという。
「魚は丸ごと煮れば、アラからもだしが出て、切り身とはまるで違う味わいになるし、野菜もまず少しちぎってかじってみるとその味で、新しいレシピを思いつけたりします」
“丸ごと”こそ、賢くおいしい食卓の第一歩だという尾身さんのおすすめが〈鮮魚 泉銀〉の《魚さばけ!コノヤロー!!!セット》と〈海老原ファーム〉の《野菜ボックス》だ。《魚さばけ!セット》は店主がぜひ食べてほしい魚介類が格安だが、下処理一切なしで届くし、《野菜ボックス》のほとんどの野菜は土を落とせばかじって味わうことができる。
「ぜひ丸ごとを体験して。下処理すれば、魚の構造がわかり、わかるとアラも使えて料理の幅が広がります。それは野菜も一緒です」
〈黒米味噌本舗〉の《本醸造 生味噌》は、西会津で出会った農家の鈴木二三子さんの手造り味噌。
「発酵を続けている味噌で、色も風味も変わっていくのが楽しみ。朝、だしを加えずに、飲んでいます」
《コタキホワイト》は、長野県栄村産のコシヒカリ。その土壌の豊かさは全国でもトップレベルだが、これまでは、生産量の少なさから県外に出荷されることがなかった稀少米だ。
「ワインと同じで、お米選びもテロワールが大切だと教えてくれます」
尾身さん自身の「賢くおいしい」もの探しの経験が、誕生させたのが《飲みドレ》だ。友人家族が来ると作っていたものだが、子供たちが皿に残ったドレッシングを野菜の葉でぬぐって食べてくれたのを見て、商品化を決意したという。
おいしい食卓には、やはりビールの一杯は欠かせません。
「作った料理の糖質が気になる時に、糖質ゼロでもおいしいビールが選べるのはうれしいですね」