90'sカルチャーをNFT化。
映画『KIDS』のコラボTシャツ
1995年に公開された映画『KIDS』と言えば、写真家ラリー・クラークが初監督を務め、ニューヨークのストリートキッズの生態をドキュメンタリータッチで描いた作品として話題に。セックスやドラッグ、アルコールに溺れる若者をリアルに捉えた本作は、スケートボードカルチャーを表現したスタイリッシュな映像も見どころで、今なおカルト的な人気を誇っている。また、公開当時から有名ブランドがTシャツを展開するなど、ファッション関係者からの支持も高い。
そんな名作のアイコンとして知られているのが、映画のサントラ盤で使われたジャケット写真。その象徴的なヴィジュアルをベースに作られた、アイキャッチーなTシャツが登場。手掛けたのは、さまざまなアート作品をアパレルで表現する新ブランド〈R.TM ギャラリー〉。今回は、デジタルドットの作風で注目を集める新進気鋭のアーティスト集団「ペイン(ト)キラー」を起用し、ラリー・クラーク公認のグラフィックTシャツを制作。〈バーニーズ ニューヨーク〉にて限定販売される。面白いのがそのグラフィックをNFT(非代替性トークン)アートとして販売するという試みだ。
ファッションとNFTアートが
融合した次世代表現に注目
今回の作品を発表するフィールドを〈バーニーズ ニューヨーク〉とし、Tシャツだけにとどまらず、そのグラフィックを近年話題となっているNFTのデジタルアートとして販売する。購入者にはブロックチェーン技術を用いたコピーの難しいデジタルデータの所有権と、アートを額装したデジタルパネルが贈られる。
NFTアートは全部で5点存在し、作品はそれぞれグラフィックのドットの欠ける部分が異なるアレンジが施された、すべてが一点もの。世界で5点のうち4点を〈バーニーズ ニューヨーク〉で顧客向けに抽選販売し、残り1点をラリー・クラークの要望により、世界最大級のNFTマーケットプレイス「オープンシー」にてオークション形式での出品が予定されている。
ファッションとして着て楽しむだけではなく、投資目的でアートを所有するオーナーになる。ファッションとアートの架け橋となるようなバーニーズの取り組みは、今後のアパレル業界の新しい販売スタイルとして浸透していきそうだ。Tシャツは5月13日(金)より、全国の〈バーニーズ ニューヨーク〉にて販売。NFTアートも銀座本店・横浜店・神戸店の店頭にて展示予定。