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『しまおまほのおしえてコドモNOW!』が刊行。子供の混沌とした部分を混沌のままで受け止める、彼女の視点

“普通”のコドモたちにインタビューしたルポエッセイ連載『しまおまほのおしえてコドモNOW!』を単行本として上梓したエッセイストのしまおまほさんと、構成作家の古川耕さんが本書について語り合う。

Illustration: Maho Shimao / Text: Tomoko Ogawa

今を生きるコドモの頭の中が覗ける本。

古川耕

今の子を取り巻く環境って、YouTubeはもちろん、雑学っぽいテレビ番組や本も多い。だからなのか、「なんでそんなこと知ってるの?」ということを知ってたりしますよね。

しまおまほ

そうそう。彼らのアンテナは何をキャッチしているのかわからない。こちらの方がステレオタイプな子供のイメージを持って接してて……。

古川

引き出しがまだスカスカだから、雑な知識もいっぱい入るし、すぐ出る。子供のそういう面がこの本にすごく出てる。

絵本『しまおまほのおしえてコドモNOW!』中面
毛布を「完璧無敵装置」と呼び恥ずかしさをごまかしていた男の子。「こんな隙がイイ」としまおさん。

しまお

ネットが入口だと、時代にとらわれず知識を得られるんですよね。

古川

急にそこ?みたいな。

しまお

そう、昭和好きとか。

古川

しかも、子供たちがインタビューをされている認識がなくて、何が起こってるのかがわからない感じも出てますね。

しまお

頭にずっと「?」があるまま話してる。それを目の前で見られるのが面白かったな。

古川

しまおさんはそういう部分をキャッチできるセンスを持っていて、混沌をふるい落とさず混沌のまま受け止めて紙に落とし込める人。これができる人ってあんまりいないと思う。

しまお

私、強烈に楽しい思い出より「あれは何だったんだろう?」というぬるい時間がけっこう好きで。エッセイでもこの本でもその感じが出したくて。

古川

親が同席するパターンが多いからか、プライベート感半分、パブリック感半分というその微妙さも面白い。なんかちょっとイキったりしていて(笑)。