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発想が斬新!京都の甘味のスペシャリテ3選〈菓子屋のな〉〈あしべ〉〈Kew〉

モダン和菓子にケーキ酒場、ロンドン仕込みのドーナツ。わざわざ食べに行きたい京都の甘味3店舗。

photo: Yoshiko Watanabe / text: Mako Yamato

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菓子屋のな(五条堀川)

モダンさをまとって、
旬を届ける和菓子たち

老舗で修業を重ねた名主川千恵さんが作るのは、素材使いや食感で新鮮な驚きをもたらす和菓子たち。例えば木の芽などハーブを挟んだういろうや、折々の果物を使ったわらび餅といった具合だ。「もっと自由に楽しんでほしいから香りで演出したり、大好きな植物を添えたり。食べ応えがあるようサイズも大きめに」と名主川さん。とはいえ枠をはみ出さない加減は絶妙で、和菓子界に吹く新たな風を感じさせてくれるものに。

京都〈菓子屋のな〉店内

あしべ(五条大宮)

スタンディングでケーキと
お酒、時々おつまみ

料理屋にデザートは普通だけど、ケーキ屋で料理が出たら面白いんじゃない?」というアイデアから、ケーキ酒場なるものが誕生した。パティシエールの大田真理子さんが作る洋菓子を軸に、夫婦揃って好きだというお酒と、料亭で修業を積んだ竜也さんの料理が加わる。ワインやウイスキーなど、お酒を意識したケーキはハーブやお酒を効かせたものも多く、見た目も味も強く印象に残る。甘いものが主役の酒場が新鮮だ。

京都〈あしべ〉外観

Kew(龍安寺)

広さ倍増、持ち帰り充実。
予約制で行列回避の幸せ。

とろけるチーズケーキと、ずっしり感がたまらないカスタード入りドーナツで、2019年3月にオープンするとたちまち甘いもの好きを虜にした名店。店主の大木健太さんはロンドンで暮らすうちレストラン〈St. John〉に魅了され、ペストリー部門で働いたことをきっかけに菓子の世界へ。

帰国後に改良を重ね完成させたレシピは、ほかのどこにもない味だ。人気ぶりに店舗を広げ、テイクアウトも増やしてリスタートしたのは2020年5月のこと。システムが整い、確実に口にできる安心感が味わいを一層際立たせてくれる。

京都〈Kew〉外観

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