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井口可奈のお笑いライブ偏愛日記:第21回『真空ジェシカをぶっ倒せ!漫才5番勝負』

小説、俳句、短歌などを書く井口可奈が、訪れたお笑いライブを熱く語る連載、第21回。前回の「『トリップ』も読む。

text: Kana Iguchi

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公演日:配信(2月10日視聴)
公演名:真空ジェシカをぶっ倒せ!漫才5番勝負

『真空ジェシカをぶっ倒せ!漫才5番勝負』

花粉症がひどく、家でお笑いライブを観ていることの多い日々でした。このライブは、真空ジェシカと吉本から選抜された5組がそれぞれ対決するものです。一筋縄ではいかないライブを期待して、配信を買いました。

配信を見始めて気がついたのは、おばあちゃんはピン芸人なのに漫才をやるのか?ということでした。おばあちゃんは77歳、しかし芸歴6年目のれっきとした芸人です。

真空ジェシカが漫才を続けていく中、対戦相手としておばあちゃんが指名されました。おばあちゃんのネタは漫談です。話の合間に短冊に書いたシルバー川柳を出すというもので、漫才勝負なのに漫談をするおばあちゃんが面白く、空気がまろやかになるような気がしました。

次に真空ジェシカに指名されたのは「おばあちゃんじゃないか」。そんな芸人はいないのですが、素敵じゃないかとおばあちゃんが困惑しながら登場します。即席トリオを組んで漫才をすることになった3人は困った様子でしたが、再び舞台に現れたときにはおばあちゃんを真ん中に据える堂々とした立ち姿でした。彼女が欲しいという話を進める素敵じゃないか柏木に、自分と同じ年齢の女性をすすめるおばあちゃん。ときどき漫才の進行をスムーズにするため「ちょっと話を聞いてみましょうね」などと挟んでみるおばあちゃん。気がつけばおばあちゃんばかりを目で追ってしまいます。

真空ジェシカの漫才5本(漫才と呼んでいいのかわからないものを含む)もとても面白く、ダイヤモンドno寄席で見て良かったくだりもあり、とても満足したものでした。

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